レアアースの脱・中国依存へ!豪米がテキサスに合弁工場を建設、供給網の多様化が世界経済を救う

2019年07月04日、オーストラリアのマシュー・カナバン資源相は、日本経済新聞の取材に対してレアアースをはじめとする重要鉱物の分野で米国との連携を深める方針を力説しました。ハイテク産業の心臓部とも言えるレアアース供給を巡り、世界的なパワーバランスが今、大きな転換点を迎えています。これまで特定の国に依存しすぎていた供給体制を見直し、新たな安定供給の道を切り拓こうとするこの動きは、現代の地政学リスクを回避するための賢明な判断と言えるでしょう。

注目すべきは、レアアース生産大手の豪ライナス社が、アメリカのテキサス州に新たな分離工場を建設するという決定です。カナバン氏はこれを「素晴らしい第一歩」と高く評価しており、特定の国家が資源供給を独占する現状は、国際政治の安定を揺るがしかねないと警鐘を鳴らしました。そもそもレアアース(希土類)とは、スマートフォンや電気自動車のモーターなど、最先端技術に欠かせない17種類の元素の総称です。実は資源そのものは世界中に存在しているのですが、これを製品に使える形にする「分離工程」が非常に困難なのです。

この分離工程こそが、レアアースを巡る戦略の要となります。カナバン氏は、資源そのものは豊富であっても、高度な精錬技術を持つ国は極めて限られている事実を指摘しました。現在、この分離・精製プロセスは特定の地域に集中しており、これが供給不安の最大の要因となっています。SNS上でも「特定の一国に首根っこを掴まれている現状は恐ろしい」「供給源が分散されるのは消費者にとっても朗報だ」といった、多様化を支持する声が数多く上がっています。まさに、世界が待ち望んだ「供給の分散化」が動き出したのです。

オーストラリアとアメリカは、2018年末に重要鉱物の協力に関する基本合意を交わしており、今回の工場建設はその具体的な成果の一つです。アメリカが国家戦略上重要と位置づける35種類の鉱物のうち、実に14種類においてオーストラリアは世界トップ5の生産量を誇ります。カナバン氏は、単に資源を掘り出すだけでなく、加工して付加価値を高めることの重要性を強調しました。同国はすでにニッケルや銅の精錬技術で世界を牽引しており、そのノウハウをレアアース分野にも応用しようと意欲を燃やしています。

編集者の視点から見れば、この豪米のタッグは単なるビジネスを超えた、自由貿易の守護神としての役割を期待させます。資源が外交の武器として利用されるリスクを防ぐには、信頼できるパートナー間でのサプライチェーン(供給網)構築が欠かせません。オーストラリアの持つ世界一流の資源量と、米国という巨大な市場・技術力が融合することで、特定の国に依存しない強靭な経済圏が誕生するはずです。こうした「資源の民主化」が進むことで、私たちの生活を支えるテクノロジーはより安定的に進化を遂げるでしょう。

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