三菱スペースジェットがついに量産開始!2020年の初号機納入へ向けて加速する「国産翼」の再挑戦と型式証明の壁

日本の航空機産業が、歴史的な一歩を力強く踏み出しました。三菱重工業のグループ会社である三菱航空機は、かねてより開発を進めてきた国産ジェット旅客機「三菱スペースジェット(MSJ)」の量産プロセスにいよいよ着手したのです。愛知県豊山町を拠点とする同社は、悲願である商用運航の実現に向けて、機体製造のスピードを一段と引き上げています。

2019年07月06日現在、プロジェクトは「型式証明(TC)」と呼ばれる、航空機の安全性を公的に保証する極めて重要な証明書の取得を目指し、最終局面を迎えています。この証明がなければ、どんなに素晴らしい機体であっても世界の空を飛ぶことは許されません。まさに、日本のものづくりの真価が問われる正念場に立たされているといえるでしょう。

ネット上のSNSでは、待ちわびたファンから「いよいよ形になるのが楽しみだ」と期待の声が上がる一方で、過去の延期を懸念して「今度こそスケジュール通りに進んでほしい」といった慎重な意見も散見されます。期待と不安が入り混じるなか、2020年中盤に予定されている初号機の納入に向け、官民を挙げた熱い視線が注がれているのは間違いありません。

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量産開始で挑む2020年納入へのカウントダウン

今回、製造がスタートしたのは90席クラスを誇る「スペースジェットM90」です。愛知県飛島村にある三菱重工の飛島工場では、すでに機体の骨組みとなる胴体部分の製造が始まっており、2019年の秋頃までには全パーツを繋ぎ合わせる最終組み立て工程に入る見込みとなっています。現場では、まさに航空機が生命を吹き込まれる瞬間が近づいています。

特筆すべきは、2019年03月から開始された飛行試験です。これは型式証明を取得するための最終段階にあたる試験で、実際の運用環境を想定した過酷なチェックが行われます。当局の審査を待ち続けてから生産を開始したのでは、ANAホールディングスへの2020年08月頃の納入に間に合わない可能性があるため、リスクを承知で量産を先行させる決断を下したのです。

こうした手法は世界的に珍しいものではなく、例えばホンダジェットも2015年12月に米国で証明を取得した直後、すぐさま顧客へ機体を引き渡すことに成功しています。三菱航空機もこの先行事例に倣い、部材の在庫をあらかじめ確保することで、型式証明の取得から商用デビューまでのタイムラグを最小限に抑えようと、緻密な戦略を練っている様子が伺えます。

サプライヤーの信頼回復と人手不足の解消が成功の鍵

しかし、前途には大きな課題も横たわっています。これまで5度にわたる納期の延期を繰り返してきた経緯から、部品や素材を供給するメーカー、いわゆるサプライヤーの間には疲弊の色が隠せません。計画が変更されるたびに、設備投資や人員確保に奔走してきた企業にとって、今回の量産開始こそが「信じられる唯一の事実」となるはずです。

航空機製造は、現代においても高度な熟練の技を必要とする「労働集約型」の産業であり、AIやロボットだけで完結するものではありません。膨大な数の部品を一つひとつ手作業で組み上げるためには、専門知識を持った多くの技術者の確保が不可欠です。人手不足が深刻な社会問題となるなかで、いかにして優秀な人材を現場に繋ぎ止めるかが重要になるでしょう。

編集者の視点から申し上げれば、このMSJプロジェクトは単なる一企業の事業ではなく、日本の航空宇宙産業の基盤を再構築する壮大な挑戦だと感じます。度重なる荒波を乗り越えてきた開発陣の努力が報われ、2020年に青空を舞うMSJの姿を見ることは、日本の技術力に対する誇りを取り戻すきっかけになるはずです。私たちは、この翼が拓く新しい未来を信じて応援し続けるべきではないでしょうか。

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