九州南部を襲った記録的な大雨は、各地の交通網に深刻な影を落としています。宮崎県の都城駅と鹿児島県の吉松駅を結び、地域住民の生活を支えるJR吉都線もその一つです。連日の豪雨により線路下の土砂が流出するなどの被害が発生し、現在は全線で運転を見合わせる事態となっています。こうした厳しい状況を受け、JR九州は2019年07月08日より、不通区間をカバーする代行バスの運行をスタートさせました。
今回実施される代行輸送では、上下線合わせて1日あたり合計37本という、移動手段を確保するための懸命な本数が用意されています。利用者は各駅の駅前広場や、既存の路線バス停留所などを通じて乗降が可能です。代行バスとは、災害や工事で列車が走れない際、鉄道会社がバス会社に委託して列車に近いダイヤで運行する代替手段を指します。鉄道のような定時性は難しいものの、通学や通院といった日常の足を支える命綱としての役割が期待されるでしょう。
特に被害が深刻なのは、小林駅から西小林駅の間に位置する区間です。ここでは線路の土台となる盛り土が激しい雨によって削り取られる「土砂流出」が発生しました。線路が宙に浮いたような状態になっており、安全を確保するためには大規模な修復工事が避けられません。JR九州の発表によれば、現時点では復旧に向けた具体的な見通しは立っておらず、懸命な調査が続けられています。一日も早い日常の奪還を願わずにはいられません。
ネット上やSNSでは、この代行バス開始に対して多くの声が寄せられています。「学校に行けるか不安だったけれど、バスが出て助かった」という安堵の声がある一方で、「道路の混雑で遅延しないか心配」といった不安も吐露されていました。また、崩落した線路の写真を見たユーザーからは、その被害の大きさに驚き、鉄道員の方々へのエールを送る書き込みも目立ちます。地域に密着したローカル線だからこそ、その存続を願う人々の想いは非常に熱いものがあると感じます。
筆者の個人的な見解としては、こうした災害時における鉄道会社の迅速な対応には敬意を表したいところです。しかし、近年の異常気象による被害が毎年のように繰り返される現状を見ると、インフラの維持という課題がいかに重いものであるかを痛感します。代行バスの運行はあくまで一時的な措置ですが、これを機に地域の交通の在り方や、災害に強いまちづくりについて、私たち一人一人が真剣に考える機会にすべきではないでしょうか。
不便な生活を余儀なくされている沿線住民の皆様にとって、代行バスのエンジン音は復興への小さな一歩に聞こえるかもしれません。2019年07月09日現在、雨が降り続き地盤が緩んでいる箇所も多いため、バスを利用される際や駅周辺を移動される際は、くれぐれも足元に注意してください。鉄路が再び繋がるその日まで、地域一丸となってこの困難を乗り越えていけるよう、今後の推移を注視し、応援し続けていきたいものです。
コメント