総務省は2019年07月04日、目前に迫った参議院議員選挙に向けた最新の選挙人名簿登録者数を発表しました。2019年07月03日時点での国内有権者数は、3年前の参院選と比較して8096人ほど減少した1億648万人あまりとなっています。これに海外で暮らす日本人の有権者約10万人を加えると、合計で1億658万人もの人々が、今回の一票を投じる権利を手にしている計算です。私たちの将来を決める大切な選挙の幕開けが、数値からもいよいよ実感されます。
今回のデータで特に注目すべきは、いわゆる「1票の格差」の縮小でしょう。日本経済新聞社の試算によると、議員1人あたりの有権者数の格差は最大で2.998倍となりました。前回の2016年の3.077倍からわずかに改善し、ついに3倍を下回りました。この背景には、人口の少ない隣接県を一つの選挙区にまとめる「合区(ごうく)」という仕組みの導入があります。今回は鳥取・島根、徳島・高知の各エリアでこの制度が継続されており、都市部と地方の格差是正が進んだ形です。
そもそも「1票の格差」とは何か?民主主義の課題を考える
ここで「1票の格差」について分かりやすく補足します。これは、人口が多い選挙区と少ない選挙区で、1票が議員の選出に与える影響力が不平等になる現象を指します。例えば、ある県では10万人の票で1人の議員が選ばれるのに、別の県では30万人の票が必要だとしたら、後者の1票の価値は前者の3分の1しかありません。憲法が掲げる「法の下の平等」に反するのではないかという議論が、長らく最高裁判所などでも争われてきた民主主義における重要課題なのです。
SNS上では今回の発表に対し、「ようやく3倍を切ったか」という安堵の声がある一方で、「それでも3倍近い格差があるのはおかしい」といった厳しい指摘も目立ちます。特にTwitterなどのネット空間では、「地方の声が届きにくくなる合区は寂しい」という住民の本音と、「どこに住んでいても1票の価値は同じであるべきだ」という正論が激しくぶつかり合っています。有権者の関心の高さがうかがえるとともに、この問題の根深さが浮き彫りになっていると言えるでしょう。
筆者の個人的な意見を述べれば、単なる数字合わせの合区には限界があると感じてやみません。人口比率を優先して強引に選挙区を統合すれば、その土地特有の課題や文化が国政に届きにくくなるリスクを孕むからです。単に倍率を2.998倍まで下げたという表面的な改善に満足するのではなく、多様な地域の声をどう公平に吸い上げるかという、より本質的な選挙制度の改革を私たちは求めていくべき時期に来ているのではないでしょうか。
有権者の総数がわずかに減少傾向にある中で、一人ひとりが持つ1票の重要性はむしろ高まっていると言えます。2.998倍という数字は一見すると小さな変化に思えますが、私たちの意思を国政に反映させるための確かな一歩であることは間違いありません。この夏、どのような未来を選択するのか。名簿に刻まれた1億658万人の一人として、私たち一人ひとりが真剣に候補者と向き合い、投票所へ足を運ぶことが、今の日本に最も求められているアクションです。
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