世界経済の行方を左右する大きな局面が、ついに動き出そうとしています。アメリカのホワイトハウスは2019年07月24日、貿易摩擦の解消に向けた閣僚級協議を、中国の上海で2019年07月30日から開催すると公式に発表しました。今回の会談は、同年06月に実施された米中首脳会談で「一時休戦」が合意されて以来、初めて対面で行われる重要な交渉の場となります。
アメリカ側からは、交渉の司令塔であるUSTR(通商代表部)のライトハイザー代表に加え、ムニューシン財務長官も出席する予定です。ムニューシン氏は2019年07月24日の発言で、交渉の再開自体はポジティブなニュースであるとしつつも、依然として解決すべき課題が山積みであることを強調しました。対する中国側は、経済政策を統括する劉鶴副首相が責任者として議論のテーブルに着く見通しです。
今回の協議は2019年07月30日から31日までの2日間にわたる短期決戦となります。これまで両国の話し合いは、2019年05月10日にワシントンで開催された会合を最後に事実上の決裂状態にありました。そのため、SNS上では「ようやく対話が始まるのか」という安堵の声がある一方で、「どうせまた平行線で終わるのではないか」という冷ややかな視点も混在し、期待と不安が入り混じっています。
主な争点となるのは、アメリカが強く主張している「知的財産権の侵害」や、外資企業に対する「技術移転の強要」といった構造的な問題です。知的財産権とは、発明やデザインなど人間が生み出したアイデアを財産として守る権利のことですが、アメリカは中国がこれを不正に取得していると批判しています。また、中国の通信機器大手であるファーウェイへの制裁緩和についても、激しい駆け引きが予想されるでしょう。
編集部としての見解ですが、今回の協議が上海で行われる点には注目すべきです。政治の中心地である北京をあえて避け、経済の象徴である上海を選ぶことで、実務的な進展を優先したいという中国側の思惑が透けて見えます。トランプ政権としても、来年の大統領選を控えて農産品の輸出拡大という「実利」を早期に確保したいはずであり、双方にとって妥協点を探るための重要な試金石となるはずです。
しかし、ハイテク分野での主導権争いは単なる貿易問題を超えた「覇権争い」の側面を持っており、一度の会談ですべてが解決するとは考えにくいのが現状です。もし今回の上海会合で一定の成果が得られれば、次回はワシントンでの協議も計画されているとのことです。世界中の投資家や企業が固唾をのんで見守る中、2019年07月末の2日間は、まさに世界経済の運命を決める歴史的な節目になるに違いありません。
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