2018年度のふるさと納税において、大阪府泉佐野市が約497億円という驚異的な寄付額を記録し、全国トップの座に輝きました。この金額は、日本全体の寄付総額の約1割を占める計算となり、一自治体がこれほどまでの支持を集めたことは過去に例を見ない出来事と言えるでしょう。インターネット上では「泉佐野市の返礼品が豪華すぎる」と大きな話題になり、締め切り直前には駆け込みで申し込むユーザーが続出する事態となりました。
泉佐野市のほかにも、和歌山県高野町が約196億円を集めて寄付額を急増させており、特定の自治体に資金が集中する傾向が顕著に現れています。そもそも「ふるさと納税」とは、自分が応援したい自治体に寄付をすることで、所得税や住民税の控除が受けられる制度のことです。寄付のお礼として地元の特産品などが贈られるため、実質負担2000円で豪華な返礼品が手に入るお得な仕組みとして、多くの国民に親しまれてきました。
過熱する返礼品競争と2019年6月からの新制度移行
しかし、こうした寄付集めの手法が過熱したことで、自治体間での「返礼品競争」が問題視されるようになりました。特に泉佐野市が展開したAmazonギフト券を上乗せするキャンペーンなどは、本来の趣旨である「地域振興」から逸脱しているとの批判を浴びることになります。SNS上では「もらえるものはもらいたい」という賛成派と、「制度の公平性を欠く」という反対派の間で、激しい議論が戦わされたのは記憶に新しいところです。
こうした状況を重く見た国は、2019年6月からふるさと納税のルールを厳格化する新制度を導入しました。新しい指針では、返礼品の価格を寄付額の3割以下に抑えることや、返礼品を地場産品に限定することが義務付けられています。この基準を満たさないと判断された泉佐野市や高野町などの自治体は、残念ながら2019年6月1日付で制度の対象から除外されるという異例の措置が取られました。
私自身の見解としては、泉佐野市の戦略的なプロモーション能力には目を見張るものがあると感じています。一自治体がこれほどの影響力を持ったことは、地方自治のあり方に一石を投じたはずです。一方で、制度の持続可能性を考えれば、過度な還元競争に歯止めをかける今回の是正も避けられない流れだったのでしょう。今後は、返礼品の魅力だけでなく、寄付金の使い道や地域のビジョンで選ばれる健全な制度への脱皮が期待されます。
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