東南アジア諸国連合(ASEAN)におけるデジタル環境が、今まさに劇的な転換点を迎えています。2018年には固定ブロードバンドの契約数が約3900万回線に達し、わずか10年間で約4.5倍という驚異的なスピードで拡大を遂げました。この勢いはとどまるところを知らず、成熟期に入り伸びが緩やかになった日本を、2019年中にも追い抜く可能性が極めて濃厚となっています。
国別で勢いを見せているのは、約1300万回線を誇るベトナムや、約900万回線で追随するタイといった国々です。これらの地域では、都市部を中心に「光回線(光ファイバーを用いた高速・大容量の通信ネットワーク)」の整備が急速に進展しました。毎年10%から20%という高い成長率を維持しており、人々の生活基盤がモバイルから家庭内インフラへとシフトしている様子が伺えます。
注目すべきは、これまで通信インフラの発展が遅れていたミャンマーの動向でしょう。定額制で使い放題となる家庭向け光回線の値下げ競争が、2019年に入り本格化しています。従来、東南アジアではスマートフォンを通じたSNS利用がネット視聴の中心でしたが、高速通信の普及によって動画配信サービスやオンラインゲームといったリッチコンテンツの需要が爆発的に高まりそうです。
SNS上では、この通信環境の劇的な変化に対し「東南アジアのネット環境の進化は予想以上に速い」「これからはモバイルだけでなくPCゲームやVODの普及が一気に進みそう」といった、現地のポテンシャルに驚く声が多く上がっています。日本がかつて経験したブロードバンド革命が、より進化した形でアジア全域を覆い尽くそうとしている現実に、大きな期待が寄せられています。
デジタルインフラの拡大がもたらす東南アジアの新たな産業構造
編集者の視点から見れば、このインフラ整備は単なる通信手段の確保に留まりません。高速な固定回線が各家庭に浸透することは、高精細な映画視聴や遅延の許されないeスポーツ、さらにはリモートワークといった新しいライフスタイルの基盤となります。スマートフォンの画面越しに見ていた世界が、より大きな画面で、よりリッチな体験として定着していくのは確実だと言えるでしょう。
特に2019年9月28日現在の状況を鑑みると、この変化はビジネスチャンスの宝庫です。回線速度の向上は、コンテンツの質に対する要求を一段引き上げることになります。現地のクリエイターが質の高い動画を制作し、それを国民がストレスなく享受できる環境が整うことで、地域独自のエンターテインメント文化が花開く時期はすぐそこまで来ているのではないでしょうか。
かつて「モバイル・ファースト」と呼ばれた東南アジアですが、これからは「ブロードバンド・クオリティ」の時代へと突入します。日本を追い抜く規模の巨大市場が誕生することは、グローバルなテック企業にとっても無視できない潮流となるはずです。2019年という年は、東南アジアが真のデジタル強国へと歩みを進めた記念すべき1年として、記憶に刻まれることになるに違いありません。
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