2019年10月09日、日本の株式市場に激震が走っています。政府が打ち出した外国為替及び外国貿易法(外為法)の改正案に対し、市場関係者からは戸惑いと不安の声が噴出しているのです。今回の目玉は、安全保障上の観点から、外国投資家が上場企業の株式を取得する際の事前届け出基準を、従来の「10%以上」から「1%以上」へと大幅に引き下げる点にあります。
この「1%」という数字は、純粋な資産運用を行う投資家であっても日常的に超えてしまう水準です。SNS上では「これでは日本市場が鎖国状態になるのではないか」といった悲観的な投稿が相次ぎ、ハッシュタグ「#日本株離れ」が注目を集めています。免除規定が設けられる方針とはいえ、運用の詳細が不透明な現状では、実質的な投資の障壁となるリスクを否定しきれません。
機動力の低下が招く資金調達への暗雲
東京証券取引所の川井洋毅執行役員は、安全保障の重要性に理解を示しつつも、運用次第では日本企業への投資が困難になりかねないと警鐘を鳴らしています。海外の投資家にとって、投資先が規制対象の業種に該当するかどうかを定款まで精査する作業は、極めて負担が重いものです。1%という厳しい基準は、彼らに日本市場からの撤退という極端な選択を迫る可能性すら秘めています。
特に懸念されるのが、企業の緊急時における資金調達への影響です。例えば、かつて経営危機に陥った東芝は、2017年12月に海外のファンド等から約6000億円もの資金を短期間で調達し、債務超過を回避しました。この際、多くの投資家が1%を超える株式を保有しましたが、もし事前に煩雑な届け出や調査が必要となっていれば、これほど迅速な決断は不可能だったでしょう。
編集者としての私見ですが、国の安全を守る盾が、経済を縛り上げる鎖になっては本末転倒です。グローバルな資本主義において「スピード」は最大の武器であり、官僚的な手続きがその足を引っ張ることは避けるべきでしょう。日本が真に魅力的な投資先であり続けるためには、規制の厳格化と投資の利便性を高次元で両立させる、極めて繊細な制度設計が不可欠であると強く感じます。
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