【日本の基礎研究は大丈夫?】国際的な注目分野への参加が停滞!科学技術白書が示す危機的状況と未来への提言

今、日本の科学技術における「基礎研究」の現場に、深刻な危機が迫っていることが、2019年6月14日に公表された科学技術白書の分析によって明らかになりました。特に懸念されるのが、国際的に大きな注目を集めている研究分野への日本の参加が、他国に比べて著しく停滞しているという現状です。この事実は、将来のイノベーションの種を生み出す基盤が、揺らぎ始めていることを示唆しているのではないでしょうか。

文部科学省の科学技術・学術政策研究所では、世界で最も影響力のある論文、具体的には被引用数(ひいんようすう:他の研究論文に引用された回数で、その研究の重要性や影響力を測る指標)が世界で上位1%に入る、注目度の高い論文を分析しています。これによって、国際的に関心が集中している研究領域を抽出して、各国の取り組みを比較しています。その結果、2011年から2016年の論文を対象とした2016年版の調査では、注目される研究領域の総数は895にも上り、2002年版の598領域から約50パーセントも増加していることが判明しました。

しかし、肝心の日本がこの注目領域に参加している割合は、2016年版でわずか33パーセントに留まり、2002年版の38パーセントからかえって低下してしまっているのです。参加している領域の数自体も、ほとんど伸びが見られていません。これに対し、主要国ではアメリカが際立っており、実に90パーセント以上の領域に参加するという、非常に手広く積極的な取り組みを見せています。また、中国の勢いも目覚ましく、2002年版では12パーセントだった参加割合が、2016年版では51パーセントと急激に領域を拡大し、日本を大きく上回る水準に達しています。イギリスやドイツも、おおよそ50パーセントから60パーセント程度の参加割合を維持し、着実に研究領域を増やしている状況です。

日本の参加割合が低い原因の一つとして、論文の引用度ランキングの低さと同様に、国際共著論文が少ないことが指摘されています。国際共著論文とは、異なる国や機関の研究者が共同で執筆する論文のことで、世界的な研究ネットワークへの参加度を示す指標にもなります。グローバル化が進む現代の科学研究において、他国の優秀な研究者や最新の知見との交流が不足していることは、日本の研究が国際的な潮流から取り残されつつある大きな要因と言えるでしょう。世界中が知恵を出し合って研究を進める中で、日本だけが内向きになっているとすれば、将来的な科学技術の発展に深刻な影響を及ぼしかねません。

この白書が示すデータは、日本の科学技術イノベーションの未来に対する警鐘だと、私は考えます。世界が注目する最先端の分野に日本が参加できていないということは、そこで生まれる新たな知見や技術を、キャッチアップできずにいることを意味しているのではないでしょうか。国際的な研究協力の推進はもちろん、若手研究者が国境を越えて活躍できるような環境整備や、失敗を恐れず挑戦できるような、長期的な視点に立った研究資金の提供が、今こそ必要とされているのでしょう。SNSでも「#基礎研究の危機」「#科学技術白書」といったハッシュタグとともに、「このままでは日本の競争力が失われる」「もっと研究者を評価すべき」といった、危機感を共有する意見や、国への改善を求める声が多く見受けられます。

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