将棋界の伝説「島研」の絆!森内俊之九段が今も大切にする解散記念の駒と、若き天才たちの青春秘話

将棋界の歴史を大きく塗り替えた、伝説の研究会をご存じでしょうか。1980年代後半、まだ10代後半だった森内俊之九段、羽生善治九段、佐藤康光九段の3人に、20代半ばの島朗九段が声をかけたことで「島研(しまけん)」は産声を上げました。当時はプロの一歩手前である「奨励会員(しょうれいかいいん)」と現役プロが共に盤を挟むこと自体が珍しく、この試みはまさに異色でした。後に4人全員が最高峰の「竜王」となり、島九段を除く3人が「名人」に登り詰めるという、まさに最強の虎の穴だったのです。

この夢のような集まりの始まりは、島九段が森内九段にかけた一本の誘い水でした。まだ初段か二段だった森内九段が同世代の佐藤九段を誘い、まずは3人での挑戦がスタートします。公式戦と同じように秒読みの記録係を交代で務めながら、真剣勝負を繰り広げました。SNS上でも「この4人が集まっていた空間は尊すぎる」「当時の熱気が伝わってくる」と、将棋ファンの間で大きな感動を呼んでいます。プロの世界で戦うための土台は、間違いなくこの濃密な時間の中で培われたのでしょう。

その後、森内九段と佐藤九段が無事にプロ入りを果たすと、すでに四段として活躍していた羽生九段が加わり、伝説の4人体制へと移行します。年長者である島九段が、若き天才3人が対等な立場になるのを優しく待ってくれたというエピソードからは、島九段の深い気配りと懐の深さが伝わってきます。先輩後輩の垣根を越え、純粋に強さを追い求めた彼らの関係性は、お互いを高め合う最高のライバル関係へと昇華していきました。

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敗者が会費を積み立てる?ユニークな絆が生んだ最高の記念品

島研のユニークなルールとして、練習将棋で負けた人が会費を積み立てるシステムがありました。実力が拮抗する4人の間で貯まった資金を使い、男4人で伊豆山への温泉旅行に出かけたこともあったそうです。豪華な夕食を楽しんだ後、お酒も飲まずに当時流行していた「斜め七並べ」などのトランプゲームに興じたというエピソードは、なんとも微笑ましい青春の一コマです。旅館のスタッフが不思議そうな顔をしていたという回想には、彼らの純粋な素顔が垣間見えます。

しかし、4人が公式戦で勝ち進み、タイトル戦で顔を合わせるほど多忙を極めたことで、1990年代前半に惜しまれつつも島研は解散のときを迎えます。その際、積み立てていた会費を4人で分け合い、記念として各自が購入したのが一組の「将棋の駒」でした。体調を崩した森内九段だけが後日一人で購入することになりましたが、この駒は4人が切磋琢磨した激動の時代の証しとして、今も特別な輝きを放ち続けています。

現在、この記念の駒は、森内九段が代表を務める横浜の「青葉将棋クラブ」で行われる指導対局で、実際に生徒たちのために使われています。まだそのロマンあふれる由来を伝えたことはないそうですが、いつかこの物語を知った生徒たちの喜ぶ顔が目に浮かびます。偉大な棋士たちの原点となった島研の歴史は、今も形を変えて次の世代へと受け継がれているのです。世代を超えた将棋への情熱に、胸が熱くならずにはいられません。

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