北海道の秋を象徴する味覚といえば、なんといっても「シシャモ」でしょう。2019年10月から11月上旬にかけて漁の最盛期を迎える北海道むかわ町には、この時期にしか出会えない至高の味を求めて、全国から熱心な食通たちが足を運んでいます。
秋晴れの空の下、むかわ町の中央通りを歩くと、店先に串刺しにされたシシャモがカーテンのように並ぶ光景に出会えます。特に「カネダイ大野商店」の前には、2019年11月23日現在も、朝早くから本物の味を求める人々で行列ができ始めていました。
私たちが普段スーパーで見かける安価なシシャモの多くは、実は「カペリン(カラフトシシャモ)」という別の魚種です。一方で、北海道の太平洋沿岸だけで獲れる本物は、驚くほど赤みを帯びた艶があり、見た目からしてふっくらとした気品が漂っています。
希少価値の高い本物の一串は、大きなメスなら2,000円台後半にもなる高級品です。SNSでは「今まで食べていたのは何だったのか」「値段に見合う感動がある」といった驚きの声が溢れており、その圧倒的な実力に魅了される人が後を絶ちません。
ホットプレートで焼く醍醐味と衝撃の握りずし
店内では購入した生干しを、目の前のホットプレートですぐに焼いて楽しめます。ジュウジュウと音を立てて脂が弾け、香ばしい煙が立ち上がる瞬間は、まさに至福のひとときでしょう。焼き上がったオスは旨味が凝縮され、メスは卵のサクッとした食感が絶品です。
札幌から訪れたリピーターの方は「スーパーの乾燥したものとは違い、身のふわふわ感が信じられない」と目を丸くしていました。産地でしか味わえない鮮度だからこそ、素材の持つ本来の力がダイレクトに伝わってくるのでしょう。
さらに注目すべきは、この時期限定の「握りずし」です。シシャモを刺身や寿司でいただくのは、鮮度管理が難しい産地ならではの贅沢と言えます。口に運ぶと、ほんのりとした上品な甘みが広がり、これまでのシシャモの概念が根底から覆されるはずです。
アイヌ語の「柳の葉の魚(スス・ハム)」に由来するこの美しい魚は、かつては地元だけで愛されてきました。それを全国区へと押し上げた先人たちの努力に敬意を表しつつ、私はこの「本物」を守り続ける文化こそが、日本の食の宝だと強く感じます。
2019年11月いっぱいは、冷凍物を含めた握りずしも堪能できます。また、むかわ町穂別では国内初の恐竜全身骨格化石「カムイサウルス」も公開されており、美食と歴史ロマンを巡る旅には最高の季節です。ぜひ、五感で北海道の秋を体験してみてください。
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