山形県飯豊町が誇る最先端の技術拠点「山形大学xEV飯豊研究センター」が、大きな岐路に立たされています。次世代電池の開発拠点として2016年に華々しく開設されたこの施設ですが、なんと山形大学側が地元自治体に対して、閉鎖する意向を伝えていたことが判明いたしました。大学側は10年間の賃貸契約を結んで入居していたものの、内部での労務問題に端を発したトラブルが浮き彫りになり、今回の事態に発展した模様です。地域を挙げた一大プロジェクトだけに、今後の展開から目が離せません。
事態が動いたのは2019年12月のことです。飯豊町の後藤幸平町長が山形大学の小山清人学長のもとを訪れた際、2020年3月末をもってセンターから撤退する方針を告げられたといいます。これを受けて大学側は2020年1月22日にコメントを発表し、施設を返還することも選択肢の一つとして検討している事実を認めました。しかしながら、具体的な理由については今のところ詳細な説明を避けており、地元住民や関係者の間では不安と困惑が広がっているのが現状です。
SNS上でもこのニュースは瞬く間に拡散され、大きな反響を呼んでいます。「地域の希望の星だったのにショックが大きい」「せっかくの最先端技術がもったいない」といった惜しむ声が相次ぐ一方で、「労務トラブルが原因なら徹底的に究明すべきだ」という厳しい意見も散見されました。地方創生の先進モデルとして注目を集めていた施設なだけに、インターネット上でも今後の行く末を心配する書き込みが絶えず、世間の関心の高さがうかがえます。
地域経済を揺るがす「飯豊電池バレー構想」への打撃
そもそもこの取り組みは、2013年に飯豊町、山形銀行、山形大学が手を結んでスタートした「飯豊電池バレー構想」が基盤となっています。ここでいう「次世代電池」とは、スマートフォンや電気自動車に使われるリチウムイオン電池などを、さらに高性能・安全にした未来のエネルギー源のことです。総事業費に15億円もの巨費を投じた研究所であり、山形大学は年間1000万円の賃料を町に支払う約束でした。町側は「街づくりに重大な損失が出る」として、大学に再考を促しています。
今回の撤退劇による影響は、単なる研究所の閉鎖だけに留まりそうにありません。現在、飯豊町では官民が一体となり、総額50億円を投じてリチウムイオン電池の量産工場を建設している真っ最中だからです。この工場はセンターの研究成果を実用化するための心臓部であり、山形銀行が2019年12月に設立した地域商社でも、この電池を主力商品として5年後に30億円以上の売上を目指すという壮大な事業計画を描いていました。
山形銀行の総合企画部は「現在は情報を集めている段階」と慎重な姿勢を崩していませんが、地方創生を掲げた一大ビジネスの根幹が揺らぎかねない状況です。今回の問題に対し、私は大学側の説明責任と、地域に対する誠実な対応が不可欠であると考えます。学内のトラブルを理由に、多額の公金や地域の期待が詰まった先進プロジェクトを急に打ち切ることは、地方の未来を奪う行為に等しいのではないでしょうか。対話による破局の回避を強く望みます。
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