フェイスブックのデジタル通貨「リブラ」に暗雲?決済大手が相次ぎ離脱を表明した背景と今後の展望

世界中を驚かせたフェイスブックのデジタル通貨構想「リブラ」が、大きな岐路に立たされています。2019年10月11日、米ネット通販大手のイーベイや決済大手のビザが、リブラの発行を担う「リブラ協会」への加盟を見送る意向を明らかにしました。さらにマスターカードも参画を断念すると報じられており、当初掲げていた強力なパートナー陣が次々と離脱する異例の事態となっています。

この動きに対してSNS上では、「既存の金融勢力がテック企業を警戒している証拠だ」といった声や、「信頼性が命の通貨において、これほどの大手が抜けるのは致命的ではないか」という不安の声が渦巻いています。リブラ協会は2019年10月14日にスイスのジュネーブで設立総会を控えていますが、主要メンバーの欠席という波乱含みのスタートを余儀なくされそうです。

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金融当局の厳しい視線とマネーロンダリングへの懸念

なぜ、これほどまでに有力企業が慎重な姿勢に転じたのでしょうか。その背景には、各国の金融当局による強力な締め付けがあります。当局が特に警戒しているのは「マネーロンダリング(資金洗浄)」のリスクです。これは犯罪によって得た「汚れたお金」を、複数の口座を転々とさせることで出所を分からなくする行為を指しますが、匿名性の高いデジタル通貨がその温床になることが危惧されているのです。

また、世界で27億人ものユーザーを抱えるフェイスブックが独自の通貨を持つことは、国家がコントロールする「通貨主権」を脅かす可能性も秘めています。各国の規制当局が厳しい姿勢を崩さない中で、ペイパルやストライプに続き、ビザやマスターカードまでもがコンプライアンス上のリスクを考慮し、一歩引く決断を下したのだと推察されます。

編集者としての視点から言えば、この構想はあまりにも壮大すぎたのかもしれません。既存の銀行システムを介さずに世界中で安価に送金できる仕組みは、確かに消費者にとって魅力的です。しかし、利便性と引き換えに国家の金融秩序が乱れることへの恐怖心は、私たちが想像する以上に根深いものがあります。イノベーションと規制の衝突が、今まさに目の前で繰り広げられているのです。

当初は2020年内とされていたリブラの発行時期ですが、今回の主要メンバー離脱により、その実現性には不透明感が強まっています。設立総会でどのような方針が示されるのか、そして残ったメンバーがどのように信頼を再構築していくのか。デジタル通貨の未来を占う上で、2019年10月14日の動向は歴史的な分岐点となるに違いありません。

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