2019年10月09日、金融業界を揺るがす大きな動きがありました。イギリスの中央銀行であるイングランド銀行が、米フェイスブック社が主導して発行を計画しているデジタル通貨「リブラ」に対し、厳格な監視を行う方針を明確に示したのです。
リブラとは、スマートフォンのアプリなどで簡単に送金や決済ができる「ステーブルコイン」の一種です。価格変動が激しいビットコインなどとは異なり、複数の法定通貨に裏打ちされることで、価値の安定を目指しているのが大きな特徴といえるでしょう。
しかし、世界中に膨大なユーザーを抱えるフェイスブックが通貨を発行するとなれば、既存の金融システムに与える影響は計り知れません。そのためイングランド銀行は、事前に適切な監督体制を敷くことが不可欠であると結論付けたのです。
金融システムの安定を守る「最高水準」のハードル
今回の発表において特に強調されたのは、リブラが運用される際に求められる「強固さ」の基準です。イングランド銀行は、リブラが決済手段として普及した場合、従来の銀行と同等か、それ以上の極めて高い安全性が求められると指摘しました。
SNS上では「銀行に行かずに送金できるのは便利そう」と期待する声がある一方で、「個人情報の管理やマネーロンダリングの温床になるのでは」といった懸念の声も数多く上がっています。こうした公衆の不安を払拭できるかが今後の焦点です。
私個人の見解としては、テクノロジーによる金融の民主化は歓迎すべき流れですが、一企業が国家の枠組みを超えた通貨権力を持つことへの警戒感は妥当だと感じます。利便性と安全性のバランスをどう取るのか、非常に難しい局面です。
2019年10月10日現在、各国の中央銀行がリブラへの包囲網を強めています。この「デジタル通貨革命」が、私たちの生活をより豊かにするのか、あるいは混乱を招くのか、世界中の投資家や専門家が固唾をのんでその行方を見守っています。
コメント