秋田県横手市に拠点を置く羽後交通が、日立製作所と強力なタッグを組みました。スマートフォンを利用した新しいバス運賃のキャッシュレス決済に関する実証実験を、2020年1月24日から開始すると2020年1月22日に発表したのです。この画期的な試みは2020年3月末まで実施される予定となっています。将来的な本格導入を見据え、乗客の利便性や操作性を細かく検証していく構えです。なお、秋田県内のバス事業者がこのようなデジタル決済の実験に乗り出すのは、今回が初の事例となります。
実証実験の舞台となるのは、同社が運行する「イオン・イーストモール線」と「横手・大曲線」の2つの路線です。日立が開発したシステムを駆使し、乗客はスマホのウェブアプリから車内に掲示されたQRコードを読み取ります。ウェブアプリとは、ダウンロード不要でブラウザ上で動くソフトのことです。画面上で利用する路線を選択し、乗降する停留所か運賃を一覧から選んで決定します。最後に、確定した運賃画面と整理券を運転手に提示するだけでスムーズに降車できる仕組みです。
今回のシステムにおける最大の強みは、車内のQRコードを決済そのものには使用しない点にあります。これによって設備投資を低く抑えられ、低コストかつ手軽な運用が可能になる見込みです。気になる運賃の支払い方法については、事前に登録を済ませたクレジットカードから自動的に引き落とされる形を採用しています。さらに、このシステムは1人分だけでなく、複数人の運賃をまとめて一括で決済できるという利便性も兼ね備えており、家族連れやグループ旅行の際にも重宝されそうです。
地方路線が抱える運賃決済の課題をクリアする新星テクノロジー
都市部のバスでは交通系ICカードが広く普及しているものの、導入や維持に必要な費用が高額であるため、地方での普及は遅れているのが現状です。一方で、世間に広まった一般的なQRコード決済はコストを抑えられますが、乗車距離で運賃が変わる路線では入力に時間がかかり、運行遅延を招くリスクが指摘されていました。今回の実験は、その双方の弱点を克服する可能性を秘めています。SNS上でも「地方のバスこそ小銭要らずになってほしい」「これなら財布を出さずに済む」と期待の声が上がりました。
私個人の意見として、この実験は地方の公共交通機関が生き残るための極めて重要な一歩だと確信しています。過疎化や車社会の進展に悩む地方都市において、ITを活用して乗車のハードルを下げる試みは不可欠です。小銭を用意する手間が省ければ、観光客や高齢者にとっても利用の難易度が大きく下がるでしょう。地方特有の変動運賃という壁を、安価なシステムでいかにスマートに解決できるかという今回の挑戦は、全国の類似した課題を抱える自治体にとっての希望の光になるはずです。
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