2020年の東京五輪を目前に控え、その出場権を懸けた運命の戦いがいよいよ始まります。2019年11月28日から、五輪会場の「こけら落とし」として新設された有明体操競技場にて、トランポリン世界選手権が開幕するのです。今大会は単なる世界一決定戦ではなく、日本勢最上位に入れば五輪内定という、選手たちにとって人生を左右する大一番となります。会場周辺やSNS上でも「ついに有明で五輪が決まるのか」「空中戦の迫力が楽しみ」と、期待の声が日に日に高まっているようです。
トランポリンという競技は、約4メートル×2メートルの「ベッド」と呼ばれる弾力性に富んだシート上で、10回連続で跳躍しながら技を繰り出します。空中で描く技の難易度(難度)、空中姿勢の美しさ(演技審判)、跳躍の高さ(跳躍時間)、そしてベッドの中央で跳び続けられているか(移動点)の合計得点を競います。わずか数センチの着地点のズレが命取りになるため、極限の集中力が求められるスポーツなのです。一瞬のミスが勝敗を分けるスリルこそ、この競技の最大の魅力と言えるでしょう。
世界女王を射程に捉えた森ひかる選手と女子代表の分厚い層
女子のエースとして注目を集めるのは、現在世界ランキング3位に君臨する森ひかる選手です。2019年9月に開催されたワールドカップ第3戦では、日本女子初となる銀メダルを獲得するという快挙を成し遂げました。今シーズンからは、体への負担が極めて大きい「3回宙返り」を演技構成の中に2本も組み込むという、世界トップレベルの極めて難しい挑戦を続けています。彼女が語る「70〜80%の出来でもメダルが獲れる完成度」という言葉からは、揺るぎない自信と覚悟が感じられます。
しかし、日本の女子チームは森選手だけではありません。前年の大会で8位に入賞した宇山芽紅選手をはじめ、土井畑知里選手、佐竹玲奈選手といった実力者が顔を揃えています。驚くべきことに、日本代表の4人全員が世界ランキング10位以内につけているのです。まさに「日本一になることが、世界一への近道」とも言えるほど、国内のレベルは極限まで高まっています。SNSでは、この層の厚さに対して「誰が代表になってもおかしくない」「全員決勝に残ってほしい」といった熱い応援コメントが殺到しています。
ベテランと若手が火花を散らす男子代表の混戦模様
一方で男子チームも、予測不能な混戦が続いています。世界ランキング7位の岸大貴選手は、2019年11月上旬の全日本選手権での予選落ちという苦い経験を糧に、構成の難易度を引き上げて今大会に挑みます。「守りに入らず攻める」という彼の姿勢は、多くのファンの心を打つことでしょう。また、全日本選手権を初めて制した勢いのある堺亮介選手も、持ち前の正確な演技を武器に、初の世界選手権決勝進出、そしてその先にある五輪切符を虎視眈々と狙っています。
さらに注目すべきは、35歳のレジェンド、上山容弘選手です。世界選手権で過去に4度も表彰台を経験した名手は、一度は引退を表明したものの、夢を諦めきれずに2017年に現役復帰を果たしました。年齢を感じさせないパフォーマンスの向上には、編集部としても敬意を表さずにはいられません。経験豊富なベテランの技と、勢いに乗る若手の力が激突する男子の戦いは、まさに一瞬たりとも目が離せない展開になることが予想されます。
有明の空高く舞い上がる選手たちの姿は、私たちに大きな感動を与えてくれるはずです。地元開催のプレッシャーを跳ね除け、誰が東京五輪への切符をその手に掴み取るのでしょうか。日本代表の選考基準が「今大会での日本勢最上位」と明確であるからこそ、ライバル同士の火花散る競り合いは、スポーツの醍醐味が凝縮されたものになるでしょう。2019年11月28日から始まる熱き戦いを、皆さんもぜひその目に焼き付けてください。
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