富士山の麓、山梨県の地場産業として名高い印鑑の世界において、常識を打ち破るユニークな挑戦を続ける企業があります。昭和町に拠点を構える天野製作所は、1962年に印鑑ケースの部品メーカーとして産声を上げました。その後、ケースの一貫生産から印章そのものの製造まで幅を広げ、印影を光で投影する「プロジェクタースタンプ」など、時代のニーズを捉えた画期的な看板商品を次々と世に送り出してきた老舗企業です。
デジタルデバイスが普及しきった2019年11月20日現在、意外なことに万年筆や高級ノートの市場が活気づいています。スマートフォンの画面上で済ませる文字入力にどこか物足りなさを感じ、自らの手でペンを走らせる温もりや喜びを再発見する人々が増えているのでしょう。天野製作所は、こうした「手書き回帰」の潮流に着目し、アナログならではの不便さを解消する画期的な整理術を詰め込んだ「ソーティングノート」を開発しました。
シンプルなのに合理的!思考を止めない検索システム
このノートの最大の特徴は、記録した情報を後から効率よく分類・管理できる機能性にあります。仕組みは驚くほど明快です。ノートの左側にはあらかじめファイリング用の穴が施されており、上部のミシン目に沿ってページを切り離せるようになっています。これを専用ファイルに綴じる際、一段ずつずらして重ねることで、各ページの見出しが重ならずに一目で見渡せる「インデックス機能」が生まれるのです。
近年の文房具業界では多機能化が進む一方で、操作の複雑さや故障のリスクも懸念されています。しかし、このソーティングノートには複雑な機構が一切存在しません。物理的な構造のみで高い検索性を実現しているため、壊れる心配がなく、誰でも直感的に使いこなせる点が大きな魅力です。SNS上でも「これならズボラな自分でも情報の整理が続きそう」「アナログの逆襲だ」といった期待の声が寄せられています。
鮮やかなイエローの表紙は、心理学的に集中力を高める効果があるとされており、仕事や勉強の良きパートナーとなってくれるでしょう。デジタル全盛の今だからこそ、あえて一筆ごとに思いを込めて書き記す時間は、私たちに心のゆとりを与えてくれます。便利さを追求した最新ガジェットも素敵ですが、こうしたアナログの知恵が光る道具を使いこなす喜びこそ、現代人に必要な贅沢なのかもしれません。
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