日本の輸出産業を支える空の物流に、今までにないほどの冷たい風が吹き荒れています。航空貨物運送協会が2019年11月26日に発表した最新の統計データによると、2019年10月の航空貨物輸出量は、混載貨物ベースで7万9260トンにとどまりました。これは前年の同じ時期と比較して33%もの大幅な減少を記録しており、物流現場からは悲鳴に近い声が上がっている状況です。
特筆すべきは、この落ち込みが一時的な現象ではないという点でしょう。前年実績を下回るのはこれで11カ月連続となっており、さらに2019年9月の24%減から、10月はさらに減少幅が拡大しています。出口の見えないトンネルがどこまで続くのか、業界全体に重苦しい空気が漂っているのは間違いありません。ここでいう「混載貨物」とは、複数の荷主から集めた小口の荷物を、輸送効率を高めるために一つの大きな単位にまとめた貨物を指します。
SNS上では、この衝撃的な数字に対して「製造業の減速がリアルに伝わってくる」「空の便がここまで空いているのは異常事態だ」といった、危機感を募らせる投稿が相次いでいます。特に、世界経済の二大巨頭であるアメリカや中国、そして欧州向けなど、主要な航路すべてにおいて荷動きが鈍化している事実は、単なる局地的な不況ではなく、世界的な需要の冷え込みを強く示唆していると言えるでしょう。
主力のアメリカ向けが激減!自動車・機械産業への深刻な影響
特に深刻なのが、日本の基幹産業と直結するアメリカ向けの貨物です。2019年10月の実績は1万3783トンと、前年同月比で37%もの激しい落ち込みを見せました。中身を見てみると、主に機械関連のパーツや自動車部品が中心となっており、これら「モノづくり」の根幹を支える部材が動いていないことが浮き彫りになっています。輸送手段としてスピードが重視される航空便が敬遠されている事実は、それだけ現場の生産活動が停滞している証拠です。
編集者の視点から見れば、この数値は単なる「物流の不振」という言葉で片付けられるものではありません。米中貿易摩擦によるサプライチェーンの分断や、世界的な景気後退の予兆が、最も敏感に「空の物流」へと反映された結果だと捉えるべきです。部品が届かなければ製品は作れず、製品が作れなければ経済は回りません。まさに日本経済の心臓部が、今、不整脈を起こしているような状態にあると危惧されます。
今後の展望についても、楽観視できる材料は極めて少ないのが現状でしょう。荷動きの回復には、国際情勢の安定と製造業の活気を取り戻すことが不可欠ですが、2019年11月現在の情勢を見る限り、反転攻勢へのハードルは非常に高いと言わざるを得ません。物流の停滞は、私たちの生活に関わるあらゆる製品の価格や供給にも波及する恐れがあるため、一刻も早い経済の安定化が望まれます。
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