【2019年最新】北海道の輸出額が42%の大幅減!室蘭の拠点転換が及ぼした地域経済への衝撃とは?

2019年9月26日、函館税関から発表された北海道の貿易概況速報は、地元経済に大きな激震を走らせる結果となりました。8月の輸出額は、前年同月と比べて42%という驚異的な減少を記録し、わずか225億1800万円にとどまっています。わずか2カ月でプラスからマイナスへと転じ、その下落幅の大きさに多くの関係者が困惑を隠せません。SNS上でも「これほど急激に減るとは思わなかった」「北海道の基幹産業が揺らいでいるのではないか」といった不安の声が広がっています。

今回の落ち込みを牽引した主な要因は、鉄鋼分野での急減にあります。輸出額は前年比71%減の23億1200万円まで縮小しましたが、これは前年2018年の同時期にマレーシア向けで50億円規模の鋼管輸出があった反動が大きいためでしょう。鉄鋼業は地域の雇用や物流を支える大動脈であり、特定の大型案件が消失した際の影響がいかに甚大であるかを物語っています。専門用語で「鋼管(こうかん)」とは、主にインフラ整備や資源採掘に用いられる鉄製のパイプを指し、国際的な建設需要に左右されやすい特徴があります。

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室蘭の拠点転換がもたらした化学・エネルギー分野への影

さらに深刻な状況が浮き彫りになったのは、JXTGエネルギー室蘭製造所が物流拠点へと機能を転換したことによる影響です。かつては生産拠点として活気に溢れていましたが、この方針転換によりキシレンを含む「鉱物性タール・粗製薬品」の輸出額が、前年の38億円超から事実上の「ゼロ」になりました。これは一時的な変動ではなく、産業構造そのものが変化したことを示唆しています。ちなみに「キシレン」とは、合成繊維や塗料の原料となる重要な化学物質で、高度な精製技術を要する高付加価値製品の一つです。

化学関連や有機化合物の輸出もことごとく消失したことで、室蘭税関支署管内の輸出額は、前年のわずか2割程度という極めて厳しい水準にまで沈んでいます。私自身の視点としても、一企業の拠点再編がこれほどまでに地域全体の貿易統計を塗り替えてしまう事実に、特定企業への依存リスクを再認識せざるを得ません。地域経済の持続可能性を確保するためには、特定の品目や製造拠点に頼りすぎない、より多角的な貿易ポートフォリオの構築が急務であると感じます。

グローバルな情勢も北海道に影を落としており、一般機械の中国向け輸出や、自動車部品のカナダ向け輸出も軒並み3割以上の減少を見せています。また、輸出だけでなく輸入額も39%減の963億6900万円となり、4カ月連続のマイナスを記録しました。これは航空機の輸入が途絶えたことや、原油・石炭といったエネルギー資源の需要減が背景にあります。2019年9月現在の北海道は、産業構造の過渡期と世界経済の減速という二重の課題に直面しているといえるでしょう。

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