2019年11月28日、日本の将来を危惧する一人の経営者が、教育の現場に対して強い警鐘を鳴らしました。武田薬品工業の社長としてグローバルな企業買収を牽引してきた長谷川閑史氏は、加速する少子高齢化社会において、私たちが生き残る道は「世界、特にアジアの成長センターへ飛び出すこと」以外にないと断言しています。
2060年頃には、日本の人口は約9000万人にまで減少し、高齢化率は4割に迫ると予測されています。国内市場が縮小し続ける中、社会保障制度を維持するためには、国民一人ひとりの稼ぐ力を高めなければなりません。そこで不可欠となるのが、国際共通語である「英語」を武器に、海外でビジネスを展開できる人材の育成なのです。
シンガポールの建国の父、リー・クアンユー氏は「国民の2割が英語を使いこなせれば、国全体の英語化は加速する」との言葉を残しました。日本もこの教えに学び、若者たちが世界を舞台に活躍できる土壌を整えるべきでしょう。SNS上でも「今の教育のままでは、海外勢に太刀打ちできない」といった不安の声が数多く上がっています。
グローバルな競争にさらされる若者たちと英語教育の停滞
現在、日本の学生たちが競い合う相手は、もはや国内の同級生だけではありません。中国や韓国からは、母国語に加えて英語を流暢に操り、さらには日本語まで習得した優秀な留学生たちが続々と押し寄せています。こうした「トリリンガル」なライバルが身近にいる中で、英語に四苦八苦しているようでは、明るい未来は望めないでしょう。
長谷川氏は、日本の英語教育を「周回遅れ」という厳しい言葉で表現しています。とりわけ、大学入学共通テストにおける英語民間試験の導入延期といった不透明な状況に対し、強い遺憾の意を示されました。ビジネスの世界では、一度掲げた目標を完遂できなければ、ライバルに突き放され、最悪の場合は会社そのものが倒産してしまいます。
私は、長谷川氏の主張に深く共感します。確かに試験制度の細かな問題点はあるかもしれませんが、完璧を求めるあまり改革を先送りにすることは、次世代の可能性を奪うことと同義ではないでしょうか。30年、50年先を見据えた国家ビジョンが欠如している現状こそが、日本が抱える最大の病巣であると感じてやみません。
今、日本に必要なのは、変化を恐れずに突き進む断固たる決意です。アジア諸国から優秀な人材が集まり、共に成長を分かち合えるような国を目指さなければなりません。教育界も企業も、過去の成功体験を捨てて、ゼロからグローバル化に邁進する時が来ています。躊躇している時間は、私たちには一秒たりとも残されていないのです。
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