埼玉県川越市にある丸広百貨店川越店の屋上遊園地「わんぱくランド」が、2019年9月1日をもって51年間の歴史に幕を下ろすことが決定いたしました。長きにわたり地域住民に愛されてきたこの遊園地の閉園理由は、店舗の耐震化工事に伴うスペースの確保が主なものと報じられています。半世紀以上にわたり、川越の街並みを見守ってきた観覧車のある百貨店の屋上遊園地は、今や全国的にも大変珍しい存在で、地域のシンボルマークとして多くの人々の心に深く刻まれています。
「わんぱくランド」は、1968年10月にオープンし、約1,500平方メートルの広大な敷地を誇ります。ここには、シンボルの観覧車をはじめ、飛行機型の乗り物「エアプレーン」、そして可愛らしいてんとう虫型のミニモノレールなどが設置されていました。特に、百貨店の屋上に設置された小型の観覧車が稼働している遊園地は、運営会社のバンダイナムコアミューズメントによれば、当時全国でわずか2か所しか存在しない貴重なものであり、その希少性が改めて注目を集めていると言えるでしょう。
この観覧車は、高さが約11メートル、直径が約9メートルと屋上遊園地としては比較的コンパクトながら、8台のカラフルなゴンドラが回転し、乗る人々にささやかな空中散歩を提供してまいりました。「ピンクのゴンドラに乗ったカップルは結ばれる」というロマンチックな都市伝説が広まっていたこともあり、子供たちだけでなく、大人の来場者からも高い人気を博していたのです。長年にわたり、川越の街並みを一望できる憩いの場として親しまれてきたこの場所がなくなることに、SNS上では「子供の頃の思い出が詰まっている」「本当に寂しい」といった、閉園を惜しむ多くの反響が寄せられています。
筆者としては、近年全国的に減少傾向にある、このようなノスタルジックな雰囲気を残す屋上遊園地がまた一つ姿を消してしまうことを、大変残念に感じています。百貨店の屋上は、かつては「デパオク」と呼ばれ、家族連れにとって特別なレジャー空間であり、地域コミュニティの温かい交流の場でもありました。時代の流れと共にその存在は希薄になりつつありますが、今回の閉園が、私たちに「大切な場所の記憶をどう残していくか」を問いかけているように思えてなりません。丸広百貨店川越店の「わんぱくランド」は、2019年9月1日の最終営業日まで、たくさんの笑顔と感動を生み出し続けることでしょう。
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