日本財団が2019年4月から5月にかけて、全国の17歳から19歳の男女1,000人を対象に実施した調査結果は、日本の学校における英語教育の現状を浮き彫りにしています。この重要な調査で「学校での英語教育は役立っていると思うか」という問いに対し、「とても役に立った」または「役に立った」と回答した人は、全体の47.2パーセントにとどまりました。これは、半数以上の若者が学校の英語教育の恩恵を十分に感じられていないという、非常に示唆に富む結果と言えるでしょう。
特に注目すべきは、「役に立たなかった」と感じる若者たちの具体的な理由です。そのトップに挙げられたのは、「いまだに英語が話せない」で、実に58.1パーセントもの人がこの点に不満を抱えています。さらに、「いまだに外国人と意思疎通ができない」という回答も33.1パーセントに上り、実際に英語を使いこなすという、いわゆるコミュニケーション能力(相手と意思を伝え合い、理解し合う力のこと)の獲得に課題が残っていることが見て取れます。また、「英語に関心が持てなかった」という回答も29.9パーセントあり、学習意欲の維持も大きな問題になっていると考えられます。
一方で、「役に立った」と回答した層の理由を掘り下げてみると、「英語が読めるようになった」が64パーセントで最多となりました。これは、学校教育がリーディング(文章を読むこと)スキル、すなわち文法や語彙の知識を基に文字情報を理解する能力の向上には一定の効果を発揮していることを示しています。しかし、実際に「英語が話せるようになった」と回答した人は35.4パーセントにとどまっており、やはりスピーキング(実際に声に出して話すこと)やリスニング(聞き取ること)といった実践的な能力の育成には、まだ課題が多い現状が浮き彫りになったと言えるでしょう。
長年にわたり、国は英語によるコミュニケーション能力の向上を目標に掲げ、教育改革に取り組んできました。しかし、この調査結果を見る限り、その教育効果に対する若者たちの実感はまだまだ乏しいと言わざるを得ません。私見ですが、英語教育においては、机上の学習だけでなく、実際に使える「生きた英語」を学ぶ機会を増やし、学習者が積極的に英語を使う楽しさを感じられるようなカリキュラムへの転換が急務ではないでしょうか。
この調査が発表された当時、SNSでは「やっぱり話せないのが一番の問題だよね」「大学受験のための英語になってるから仕方ない」「実践的な授業を増やしてほしい」といった、多くの共感や教育改善を望む声が上がっていました。多くの若者が、学校の英語教育が「使える英語」に直結していないと感じていることへの危機感を、社会全体で共有する必要があると考えられます。
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