水回り設備のパイオニアとして知られるタカラスタンダード。その生産拠点の一つ、千葉県八千代市に位置する千葉工場が今、大きな変革の時を迎えています。京成電鉄の勝田台駅から車で10分ほどの工業団地内に、2つの広大な工場を構える同拠点。ここでは「プラスチックの女王」という別名を持つアクリル人造大理石を用いた、高品質な浴槽やキッチン天板が日々生み出されているのです。
千葉工場のこだわりは、何と言ってもアクリルの純度の高さにあります。第1工場では傷に強い結晶シリカを、第2工場では難燃性に優れた水酸化アルミニウムをアクリル液に配合し、約1時間の加熱工程を経て製品化されます。肥塚弘一工場長が「耐久性向上のために不純物は一切混ぜない」と語る通り、その妥協なき姿勢が製品の美しさと強さを支えているのでしょう。
SNS上では、実際にタカラスタンダードの製品を導入したユーザーから「数年経っても新品のような輝きがある」「掃除が驚くほど楽」といった絶賛の声が相次いでいます。こうした高い顧客満足度は、新築マンションにおけるキッチン天板のシェアが約7割という驚異的な数字にも現れています。現在の月産体制は、天板が約13,000台、浴槽が約3,500台と非常にパワフルです。
リフォーム市場へ狙いを定める老舗の次なる一手
盤石なシェアを誇る同社ですが、現在は首都圏のマンション供給が落ち着きを見せる将来を見据え、新たな戦略を打ち出しています。その中核となるのが、高齢化社会に伴い急速に拡大するリフォーム需要の開拓です。2017年04月には新築部門とリフォーム部門を独立させ、それぞれが専門性を高めて顧客にアプローチできる体制へと組織を刷新しました。
さらに、2019年10月には千葉工場内に「テクニカルセンター」という研修施設を開設しました。これは取引先の業者や代理店が、商品の構造や素材の特性を深く学ぶための拠点です。専門的な知識を持つプロを育成することで、エンドユーザーに対して製品の真の価値を伝えられる仕組みを作っています。こうした現場重視の教育体制こそが、同社の信頼を底上げしていると感じます。
1912年の創業から100年以上の歴史を紡いできた老舗でありながら、現状に甘んじない姿勢には感服いたします。現在は働き方改革に合わせ、最新技術による省力化も推進しているとのこと。単なる設備メーカーの枠を超え、住まいの質そのものを高めようとする千葉工場の取り組みは、私たちの生活をより豊かで快適なものに変えてくれるに違いありません。
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