ポスト五輪を勝ち抜く大成建設の「熟考」戦略とは?潤沢な資金力が解き放たれる瞬間に注目!

2019年12月26日、いよいよ東京五輪のメインステージとなる国立競技場がオープンを迎え、建設業界は一つの大きな節目に立ち会っています。これまで業界を牽引してきた「五輪特需」が終盤戦に入るなか、世間の関心は早くも「ポスト五輪」の成長戦略へと移り変わっているようです。特に、国立競技場の建設を主導した大成建設が、積み上げた莫大なキャッシュをどのように活用していくのか、投資家たちの熱い視線が注がれています。

2020年3月期の連結純利益において、スーパーゼネコン4社は合計で4090億円という驚異的な数字を叩き出す見通しとなりました。これは五輪招致が決まった2014年3月期と比較して約4.6倍という飛躍的な伸びを見せています。しかし、その内実を詳しく紐解いてみると、大成建設の特異な立ち位置が浮かび上がってきます。他社が積極的な投資に動く一方で、同社はあえて慎重な姿勢を崩さず、手元資金を蓄える道を選んできたのです。

ここで注目すべき指標が「フリーキャッシュフロー」です。これは企業が事業で稼ぎ出したお金から、設備の維持や拡大に必要な投資を差し引いた、自由に使える現金のことを指します。2014年3月期から2019年9月末までの累計で、大成建設はこの金額が4435億円に達しており、競合他社を大きく引き離しています。他社が不動産開発や海外企業の買収に2000億円規模を投じるなか、あえて「持たざる強み」を維持してきた結果と言えるでしょう。

SNSやネット上の反応を見てみると、「これだけの資金があれば、次の一手で業界図を塗り替えられるのではないか」という期待の声がある一方で、「投資の遅れが将来の足かせになるのでは」という懸念も散見されます。まさに、この潤沢なネットキャッシュ(手元の現金から負債を引いた正味の資金)をどう還元、あるいは投資に振り向けるかが、同社の評価を左右する分水嶺となっているのは間違いありません。

大成建設の村田誉之社長は、2019年12月上旬の取材に対し、今後の成長エンジンは「海外事業」にあると断言しました。これまでに1500億円もの特別投資枠を設定しており、2021年3月期には海外売上高を1900億円規模にまで引き上げる計画を掲げています。単なる規模の拡大を追うのではなく、長期的な利益率を重視する「熟考」のスタイルは、かつて海外進出で苦い経験をした建設業界にとって、ある種の賢明な守りとも映ります。

私個人の見解としては、目先の流行に流されず、キャッシュを温存してきた大成建設の戦略は、景気後退局面における最強の武器になると考えています。不透明な時代だからこそ、焦って高値掴みの買収を行うより、勝機を見極めてから一気に資金を投入する「後出しジャンケン」的な強さが、最終的な勝者を決めるはずです。現在は株価が拮抗していますが、この蓄えられたエネルギーが爆発する瞬間が、今から非常に楽しみでなりません。

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