JR東日本に台風19号の爪痕。400億円規模の減益見通しも、不屈の復旧へ向かう鉄道巨人の現在地

2019年10月に日本列島を襲った記録的な台風19号の傷跡が、鉄道インフラの王道を行くJR東日本の経営に重くのしかかっています。2019年11月29日、同社が明らかにした衝撃の試算によれば、2020年3月期の連結純利益において、合計で400億円規模ものマイナス要因が発生する見通しであることが判明しました。

減益の主な内訳は、列車の運休に伴う運賃収入の落ち込みが160億円、そして各地で破壊された鉄道設備を元通りにするための復旧費用が170億円にのぼります。さらに駅ビルの休業による損失なども加わり、自然災害の猛威が企業の「稼ぐ力」を真っ向から削り取っている現状が浮き彫りになりました。

今回の台風被害で最も人々に衝撃を与えたのは、北陸新幹線の車両が浸水した光景でしょう。長野新幹線車両センターで水没した8編成は、帳簿上の価値である「簿価」にして118億円に達しますが、これらは「廃車」という苦渋の決断を下し、特別な損失として計上される予定となっています。

SNS上では、新幹線が水に浸かるショッキングな映像を思い出し、「あんな光景は二度と見たくない」「100億円単位の損失は想像を絶する」といった同情の声が溢れています。一方で、中央線などの早期復旧に尽力する現場の職員に対し、「日本の大動脈を守ってくれてありがとう」という感謝の投稿も絶えません。

メディア編集者としての私の考えですが、400億円という数字は確かに巨額ですが、JR東日本が守っているのは単なる数字ではなく「人々の日常」です。これほどの痛手を負いながら、業績予想の修正を保留してまで慎重に復旧を優先させる姿勢は、インフラ企業としての強い責任感の表れだと高く評価すべきでしょう。

専門的な視点で補足しますと、今回の損失には「特別損失」という項目が使われます。これは、通常の営業活動では起こり得ない、今回のような災害などの一時的で多額な損失を指す言葉です。これにより、本業の収益力そのものが衰えたわけではないことを投資家や社会に示しているのです。

2019年11月30日現在、浸水した車両センターの完全な復旧費用はまだ確定しておらず、同社は精査を続けています。10月下旬時点での通期利益予想は前期比2%増の3010億円とされていますが、この未曾有の国難を乗り越え、JR東日本が再び力強く走り出す日を、私たちは支え続ける必要があるのではないでしょうか。

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