渋谷パルコ復活の裏で苦戦?2019年12月決算から読み解く新生パルコの光と影

2019年12月25日、クリスマスムードに沸く街中で、商業施設の大手パルコから注目の連結決算が発表されました。2019年03月01日から2019年11月30日までの期間、同社の純利益は前年同期に比べて2%減少の53億円という結果になっています。売上高を示す営業収益は大幅な伸びを見せているものの、利益面では子会社の苦戦が足を引っ張る形となりました。

SNS上では「渋谷パルコが連日大盛況なのに意外だ」という驚きの声や、「ECサイトの普及で実店舗の衣料品販売はどこも厳しいのでは」といった冷静な分析が飛び交っています。新時代のカルチャー拠点として華々しく再始動した裏側で、企業としての数字にはシビアな現実が映し出されているようです。

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主力事業の躍進を阻んだ「繰延税金資産」の壁とは

今回の減益要因として見逃せないのが、腕時計専門店「チックタック」を展開する子会社、ヌーヴ・エイの業績不振です。この不振に伴い、会計上の処理として「繰延税金資産」の取り崩しが行われました。これは将来支払う税金が安くなる権利を資産として計上していたものの、利益が出る見込みが薄くなったためにその資産価値を減らす手続きを指します。

専門的な用語になりますが、この資産の取り崩しは帳簿上の利益を押し下げる直接的な原因となるのです。編集者としての視点では、単なる店舗の不振に留まらず、会計処理が最終的な純利益を圧迫した点は、投資家やファンにとっても慎重に見極めるべきポイントだと感じます。

渋谷・錦糸町の開業ラッシュが支える驚異の増収劇

一方で、営業収益に目を向けると前年同期比で33%増の880億円という驚異的な数字を叩き出しています。この躍進を牽引したのは、2019年11月22日にグランドオープンを迎えた新生「渋谷パルコ」の存在です。再開発に伴う保留床(再開発ビルの一部を売却すること)の売却による収益が、全体の数字を大きく押し上げる結果となりました。

さらに、2019年03月16日に開業した「錦糸町パルコ」も増収に大きく寄与しており、新拠点の展開は着実に実を結んでいると言えるでしょう。営業利益についても24%増の101億円を記録しており、渋谷パルコの固定資産売却益などが利益の柱として機能している状況が伺えます。

しかし、既存店におけるテナント取扱高は1%減少しており、特に衣料品部門の苦戦が続いています。流行の発信地として君臨してきたパルコでさえ、消費者のファッションに対する購買意欲の変化や、ECサイトへの流出という大きな時代の荒波に直面しているのは明らかではないでしょうか。

パルコは2020年02月期の通期業績予想を据え置いており、最終的には純利益が96%増の66億円に達すると強気の見通しを立てています。渋谷パルコが本格的に通期利益に貢献し始めるこれからの時期、パルコがどのように「体験型消費」の価値を証明していくのか、目が離せません。

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