日本が誇る唯一無二のエンターテインメントとして、今もなお多くの人々を魅了し続けている宝塚歌劇団。年間で300万人もの観客を動員する圧倒的な集客力の裏側には、一体どのような秘密が隠されているのでしょうか。その謎を解き明かす一冊として、2020年1月8日時点で注目を集めているのが、森下信雄氏の著書『タカラヅカの謎』です。
著者は阪急電鉄に入社した後、宝塚歌劇団へ出向して総支配人まで務め上げた人物であり、まさに組織の内側を知り尽くしたスペシャリストと言えます。本書では、本場アメリカのブロードウェーとは一線を画す独自の「垂直統合型」ビジネスモデルや、熱狂的なファン気質など、多角的な視点からその強さの源泉が緻密に分析されているのです。
ここで注目したい「垂直統合型」という専門用語ですが、これは商品の企画から開発、製造、そして最後の販売に至るまでの全工程を、一つの企業グループ内で完結させるビジネス手法を指します。宝塚歌劇団で言えば、劇団員の育成を行う音楽学校の運営から、公演の演出、劇場の管理、グッズ販売までをすべて自社で手がけている状態のことですね。
この仕組みにより、外部の要素に左右されることなく、一貫した高いクオリティと独自の世界観を保ち続けることが可能になっています。SNS上でもこの分析に対して、「タカラヅカがなぜ100年以上も続いてきたのか、ビジネスの視点から納得できた」「ファン心理の見事な言語化に驚いた」といった、知的な興奮を隠せない声が数多く寄せられている状況です。
長年エンタメ業界を牽引する組織の仕組みを、元トップがここまで明快に紐解いた例は非常に珍しく、ファンならずとも知的好奇心を刺激されることは間違いありません。朝日新聞出版から税別750円で発売されている本書は、単なる芸能の解説書に留まらず、現代のファンビジネスやマーケティングを学ぶ上でも、極めて価値の高いバイブルであると私は確信しています。
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