愛知県内のビジネスパーソンにとって、冬の大きな楽しみであるボーナスに関する最新データが発表されました。愛知県経営者協会が2020年1月8日にまとめた調査によると、2019年における県内企業の年末賞与は、平均額が65万2096円を記録したとのことです。これは前年に比べて0.07%の微増となり、なんと7年連続で右肩上がりを維持しています。数字の上では堅調に見えるものの、詳しく中身を紐解いていくと、企業が置かれた複雑な現状が浮き彫りになってきました。
SNS上でもこのニュースは大きな話題を集めており、「7年連続アップは純粋に羨ましい」という好意的な声が上がっています。その一方で、「自分の懐事情とは少し温度差がある」「自動車産業が盛んな地域だからこその数字では」といった、冷静な受け止め方をするユーザーも少なくありません。実は今回の調査結果には、賞与を決定するタイミングの違いによって、労働者の明暗がくっきりと分かれるという興味深い背景が隠されているのです。
賞与の決定方式がもたらした格差と世界経済の影
今回の調査で注目すべきは、春の段階で夏と冬の支給額を同時に決めてしまう「春季夏冬決定型」の企業です。これに該当する95社では、平均額が0.55%増の70万1976円と高水準を記録しました。春先の好調な勢いをそのまま反映できたことが、この手厚い金額に繋がったと言えるでしょう。これに対して、夏と冬のそれぞれで個別に話し合いを行う「各期交渉型」の企業では、1.22%減の57万2843円と、前年を下回る厳しい結果に終わってしまいました。
ここでいう「各期交渉型」とは、直近の業績をダイレクトに反映させて賞与を決めるシステムのことです。2019年の後半は、世界的な景気減速の影響が国内の製造業などにも及び始め、企業の業績にブレーキがかかりました。その影響が、冬の交渉時期に直撃してしまった形です。経済の荒波が、リアルタイムに労働者の財布へと響いてくるシビアな実態が窺えます。先を見通しにくい状況だからこそ、企業側が支給に慎重になるのも無理はありません。
こうした動きに対して、経営者協会側もこれからの賃金アップやボーナスを巡る話し合いでは、慎重な姿勢を崩さない企業がさらに増えると予想しています。編集部としては、一時的な景気の波に左右されすぎない、安定した還元スキームの構築が今こそ求められていると感じます。目先の数字に一喜一憂するのではなく、労働者が安心して働ける環境を維持するためにも、労使双方が知恵を絞り、納得のいく落としどころを見つけてほしいと願うばかりです。
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