アミューズメント事業を中心に多角的な展開をみせる仙台市の扇屋商事では、今から約10年前より社内有志による社会貢献活動がスタートしました。きっかけは石田道人社長が個人的に行っていた活動でしたが、これが企業全体へと広がる大きなうねりとなっています。当初は店舗周辺のゴミ拾いといった身近なクリーン活動から始まり、次第に地元の河川敷清掃や地域のお祭りへの運営協力など、活動の幅を広げていきました。一歩ずつ地域に根ざした活動を積み重ねていく姿が非常に印象的です。
地道な地域貢献を継続したことで、スタッフの間にも自然と社会貢献への意識が芽生え、社長もボランティア休暇制度を導入するなど環境を整備しました。そんな中、2011年3月11日の東日本大震災が発生します。自社店舗や被災した従業員の安全と復旧を最優先に確保したのち、彼らは宮城県内の被災地へと次々に駆けつけました。参加した社員は延べ500人を超えており、こうした迅速な行動力には、普段からの備えや意識の高さが大きく影響していると言えるでしょう。
その後も東北豪雨災害や、遠く離れた熊本での地震災害の際にも同社の社員たちが復旧支援に尽力しています。最初は参加を躊躇していたメンバーも、現地で直接「ありがとう」という温かい感謝の言葉を受け取ることで、大きなやりがいを見出していくそうです。この成功体験こそが次の積極的な行動を生む原動力になっており、人は誰かの役に立つことで内面から大きく成長できるのだと深く実感させられます。ネット上でも「社員が自発的に動ける環境は素晴らしい」と賞賛の声が上がっていました。
最近では台風19号の被害に見舞われた丸森町へ、24日間にわたり総勢105人のスタッフが応援に赴きました。企業単位での参加は、同じ志を持つ仲間同士ゆえに息の合ったチームワークが最大の強みです。泥出しなどの過酷な復旧作業も、慣れた手つきで効率的に進められていく様子には圧倒されます。特に平日のボランティアが不足する被災地において、組織力を持った彼らは非常に頼もしく、かけがえのない救世主となっているのではないでしょうか。
近年注目される企業のCSR、つまり「企業の社会的責任」を果たす取り組みは、地域社会の早期復興を助けるだけでなく、社員のエンゲージメントや帰属意識を高める効果もあります。しかし、最初からハードルの高い被災地支援を目指すのは、ノウハウもなく困難が伴うものです。まずは地元の小さな清掃活動から始めて、参加する喜びを少しずつ育んでいく手法こそが、企業ボランティアを成功させるための最も確実でサステナブルな道筋であると私は確信しています。
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