2019年の株式市場は、アメリカと中国の激しい貿易摩擦への懸念から、厳しい下落局面で幕を開けました。景気の先行き不透明感が強まる中で、輸出関連の大型株が売られる一方、将来の大きな成長が期待される新規株式公開(IPO)銘柄には、個人投資家を中心とした熱い資金が数多く流れ込み、市場はにぎわいを見せています。今回は、2019年に上場した銘柄の「初値(上場後に初めてついた取引価格)」と、2020年01月20日時点の株価を徹底的に比較し、その動向を調査しました。
見事に上昇率のトップに輝いたのは、液晶ディスプレー向けの機能性フィルムを製造している恵和です。その株価は初値の2.35倍という驚異的な伸びを記録しており、SNS上でも「これほど化けるとは思わなかった」「今後の液晶需要にも期待が高まる」といった驚きと歓喜の声が相次いでいます。また、現在の株式市場において特に強い関心を集めているのが、私たちの生活に密着した「医療・介護」という巨大なテーマです。
この有望なテーマにおいて、5位にランクインしたのが日本ホスピスホールディングスになります。こちらの企業は、末期がんや難病を患う方々に向けた専門的な賃貸住宅を運営しているのが特徴です。世界的な景気減速への不安が募る中、日本の国内需要に支えられていて業績が左右されにくい「内需関連株」を買い求める動きが強まり、2019年05月に向けて株価が急激に跳ね上がりました。
さらに、10位に滑り込んだJOWERは、複数の携帯キャリアで通信設備を共用する「シェアリング事業」を展開して注目されています。こちらは次世代の高速通信規格である「5G」の需要拡大という強烈な追い風を受けており、ネット上でも「次世代インフラの本命株」として個人投資家の間で大きな話題となりました。このように、時代が必要とする明確な強みを持つ企業が、しっかりと評価されている印象を受けます。
一方で、光があれば当然ながら影も存在しており、最も大きな下落率を記録してしまったのがWelbyです。上場直後は期待が膨らみ、最初の取引価格が事前の売出価格の3.5倍まで跳ね上がったものの、その後の行き過ぎた買い(過熱感)から反動の売りが続出しました。さらに、2019年12月期の業績が振るわなかったことも重荷となり、株価の低迷につながっています。
編集部の視点として、今回のランキングからは「確かな社会ニーズ」を捉えた企業が勝ち残るという、株式投資の王道が改めて浮き彫りになったと感じています。世界景気の荒波を受けにくい医療や介護、あるいは5Gといった国策に近いテーマを持つ銘柄は、一過性の流行にとどまらない底力を秘めているでしょう。目先の株価の乱高下に惑わされることなく、企業の持つ本来の成長性を見極める眼力こそが、今の激動の相場を生き抜くために不可欠です。
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