今、日本の投資マネーが怒涛の勢いで海外へと向かっています。財務省が発表した週次の対外・対内証券投資データによると、日本の投資家による中長期の外債買越額は、2020年初頭に2兆3000億円という巨額の規模に達しました。2兆円の大台を突破したのは2019年初め以来のことで、まさに1年ぶりの高水準です。2019年12月の売り越し局面から一転して、再び海外資産への投資熱が燃え上がっている様子が浮き彫りになりました。
SNS上でもこの動きは大きな注目を集めており、「日本に資金を置いておいても増えないから当然の選択」「個人でも外貨建て資産を増やすべきタイミングが来た」といった前向きな声が相次いでいます。このように多くの人々が海外へと目を向ける背景には、世界的な景気後退への不安が和らいだことで、「これ以上の円高は進まないのではないか」という見方が市場全体に広がっていることが挙げられるでしょう。
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プロが「押し目買い」と判断した理由とは?円高の限界を見極める金融機関
2020年の年初には、米国によるイラン司令官の殺害を巡る緊迫した情勢から、安全資産とされる円が買われ、一時1ドル=107円台まで円高が進む場面がありました。本来、円高は保有している外貨建て資産の価値を目減りさせるリスク要因となります。しかし、この局面で国内の金融機関は臆することなく、むしろ外債の購入を拡大させました。これは「これ以上の円高進行は一時的であり、絶好の買い場である」とプロが判断したことを意味します。
ここで言う外債、つまり「外国債券」とは、海外の政府や企業が発行する債券のことで、日本国債に比べて高い利回りが期待できるのが特徴です。2019年12月には、国内勢が日本国債に資金を戻す動きも見られましたが、世界的な金融緩和による低金利環境が長引くなか、機関投資家は「利回りを求めて外債に頼らざるを得ない」という厳しい現実にも直面しています。プロたちのこうした姿勢が、海外への資金流出を後押ししているのです。
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個人投資家もブームに参戦!大人気の外国株と外貨建て投資信託
海外へ資産をシフトさせているのは、決して機関投資家のようなプロだけではありません。投資信託協会のデータによると、個人向け公募投信の外貨建て残高は、2019年12月末時点で29兆2000億円に達し、4カ月連続で増加しています。これは2018年9月以来の高水準であり、一般の個人投資家の間でも、資産を外貨で保有する意識が急速に高まっている証拠だと言えるでしょう。
外貨建て投資信託とは、米ドルなどの外国為替で運用される投資信託のことで、海外の成長力を取り込める利点があります。特にインターネット証券大手のSBI証券や楽天証券の販売ランキングでは、2019年に大きく値を上げた米国株などを中心とする外国株関連の商品が上位を独占する状況が続いています。日本銀行の黒田東彦総裁も「海外経済の下振れリスクはひ頭よりいくぶん低下した」と言及しており、この海外投資ブームは今後も続く見込みです。
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市場の指標が示す未来!緩やかな円安トレンドの幕開けか
為替市場の先行指標を見ても、今後の円安を予測させるデータが揃っています。通貨オプション市場における「リスク・リバーサル」と呼ばれる、将来の円高や円安への警戒度を示す指標では、円高に備える動きが大きく後退していることが分かりました。さらに、投機筋の動向を反映する先物市場の建玉残高でも、2020年1月14日時点で円の売り越し幅が拡大に転じており、市場のプロたちも円売り姿勢を強めています。
足元では新型肺炎の世界的な感染拡大への懸念から、リスク回避の円高に振れる局面もありますが、それでも為替レートは1ドル=110円前後で踏みとどまっています。私は、この動きこそが日本マネーの構造的な変化を表していると考えています。これほど多くの資金が日常的に円を売って外貨に換えている以上、一時的なショックがあっても下値は堅く、今後は自己実現的に緩やかな円安傾向が維持される可能性が極めて高いでしょう。
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