2019年6月27日、アマゾンジャパンが人工知能(AI)スピーカーの新たな利用シーンを提案し、一家で複数台を所有する需要の開拓に乗り出しました。特に注目されるのは、AIスピーカーやスマートフォンから、家庭内の複数のスピーカーへ同時にメッセージを届けられる**「アナウンス機能」の導入です。これは、単なる音楽再生や情報検索といった従来の用途を超え、家族間のコミュニケーションツールとしてAIスピーカーを活用する新常識を生み出す可能性を秘めています。
このアナウンス機能とは、例えばユーザーが「『ごはんができたよ』とアナウンスして」と一つの端末に話しかけると、同じアカウントで登録されている他のAIスピーカー全てで、そのメッセージが音声として再生される仕組みのことです。台所で忙しいお母様が、子ども部屋など離れた場所にいるご家族を大声で呼ばなくても、スピーカーを通じて手軽に連絡ができるようになります。これにより、家事と育児・家族間の連携をスムーズにする、大変便利な使い方ができるようになるでしょう。
さらに、この機能はご自宅の外からも利用できます。スマートフォンのアプリを起動し、メッセージを文字で入力するか、マイク機能で声を録音して送信すると、ご自宅のAIスピーカーがその音声を再生するのです。外出先から「これから帰宅するよ」と家族に伝えるなど、留守宅への連絡手段としても活用できるため、家族の安心と利便性が大きく向上すると期待されます。
一方で、複数台のAIスピーカーを購入するには、やはり家計への負担が大きいという課題がありました。国内で販売されていた画面付き機種「エコー・スポット」(2018年6月発売)は14,980円、「エコー・ショー」(2018年9月発表)に至っては27,980円と高額だったからです。そこでアマゾンジャパンは、2019年6月26日から出荷を開始した画面付きの新機種「エコー・ショー5」で、価格戦略に踏み切りました。この新機種は9,980円と、従来機種と比べて大幅に価格を抑えている点が最大の特長です。
一家に複数台を後押しする新機種とSNSの反響
アマゾンジャパンの新技術開発本部長である柳田晃嗣氏は、「複数台を購入することのハードルが下げられる価格」と、この「エコー・ショー5」の価格設定に自信を見せています。画面サイズは5.5インチと大きめのスマートフォンと同程度で、リージョナルディレクターの大木聡氏は、「米国に比べて家屋が小さい日本でも、置き場にあまり困らない大きさ」だと説明しています。これにより、寝室やキッチンなど、多様な場所に気軽に設置することが可能となるでしょう。
しかし、AIスピーカーの国内での普及率は、2018年12月に電通デジタルが実施した調査では5.9%に留まっており、利用用途が音楽聴取や天気予報の確認などに限定されていることが普及の妨げになっていると指摘されていました。この状況を打破するため、アマゾンジャパンは2019年6月から、外部の開発者がAIスピーカーのアプリに課金できる仕組み「アプリ内課金」を導入しました。この取り組みは、外部の開発者を積極的に呼び込み、複数台のスピーカーを利用する革新的なアプリを拡充させることを目的としています。
インターネット上、特にSNSでは、この「アナウンス機能」や9,980円の新機種「エコー・ショー5」に対して大きな反響が見受けられます。「家の中で声を張り上げなくて済むのは助かる」「離れた部屋にいる家族を呼ぶのに最適」といった、実用性への高い期待を示す意見が目立ちます。また、「この値段ならもう一台買ってもいいかも」「ついにAIスピーカーが本格的に普及するかも」といった、価格戦略を評価する声も多く寄せられており、この新展開がAIスピーカー普及の大きな転機となる予感を感じさせます。
編集者としての私の意見ですが、今回の価格改定と新機能の導入は、AIスピーカーが単なるガジェットから「スマートホームの中核」**へと進化するための決定的な一手です。特に「アナウンス機能」は、日本特有の「家族間のコミュニケーション」というニーズに直接応えるものであり、利用シーンを拡張させる鍵となるでしょう。開発者への課金制度の開放と合わせて、アマゾンジャパンのAIスピーカー戦略は、いよいよ本格的な普及期へと突入するに違いありません。
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