2019年07月08日の国内債券市場において、長期金利の重要な指標とされる「新発10年物国債」の利回りが上昇に転じました。前週末と比較して0.005%高い、マイナス0.155%で一日の取引を終えています。債券は価格が上がると利回りが下がり、価格が下がると利回りが上がるというシーソーのような関係にあるため、今回は債券が売られて価格が下落したことを意味しています。
この変動の引き金となったのは、2019年07月05日に発表されたアメリカの6月分雇用統計です。非農業部門の就業者数が市場の予想を大きく上回る強い数字を叩き出したことで、投資家の間には「アメリカの景気は依然として底堅い」という認識が広がりました。これまで期待されていた大幅な利下げ観測が打ち消されたことが、市場に大きな波紋を広げています。
景気が良ければ中央銀行は金利を下げる必要がなくなるため、過度な緩和期待がしぼんだ結果、米国の債券相場は下落しました。この流れを引き継ぐ形で、日本の債券市場でも「持ち高調整」と呼ばれる売り注文が優勢となったのです。持ち高調整とは、自身の資産配分を見直し、リスクを抑えるために現在保有している資産を売買してバランスを整える作業を指します。
SNS上では「マイナス金利の世界でも、アメリカの指標一つでこれだけ動くのか」といった驚きの声や、「今後の日銀の動向が気になる」という投資家たちのリアルな反応が飛び交っています。やはり世界経済の羅針盤であるアメリカの影響力は絶大であり、日本の金利動向を予測する上でも、海の向こうの労働市場から目が離せない状況が続いていると言えるでしょう。
編集者の視点から見れば、今回の金利上昇は決してネガティブな兆候ばかりではありません。低金利が常態化する中で、適度な金利の戻りは市場の健全な流動性を示唆しているとも捉えられます。ただし、米中貿易摩擦などの不透明な要因も残る中で、この上昇が一時的なリバウンドに留まるのか、あるいはトレンドの変化点になるのかを慎重に見極める必要がありそうです。
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