2019年参院選の争点|加速する人口減少社会の処方箋と都市・地方の共生ビジョン

2019年07月10日に総務省が発表した住民基本台帳人口の調査結果は、私たちに静かな、しかし抗いようのない衝撃を与えました。2018年の1年間で日本人の人口は約43万人も減少し、その規模は神奈川県藤沢市の全人口がそっくり消えてしまった状況に匹敵します。人口減少が始まってから10年が経過しましたが、減少のスピードは緩まるどころか、今後さらに加速していく段階に突入したといえるでしょう。

今回のデータで特に注目すべきは、これまで地方からの流入によって人口を維持してきた東京・名古屋・大阪の「三大都市圏」に住む日本人の数までもが、初めて減少に転じたという事実です。これは、地方の若年層を吸い上げ続けることで成り立ってきた都市モデルが、限界を迎えたことを如実に物語っています。SNS上でも「もはや地方だけの問題ではない」「都市部も他人事ではいられない」といった危機感を露わにする声が数多く寄せられています。

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人口減少の加速が問いかける「奪い合い」からの脱却

住民基本台帳人口とは、自治体の窓口に届け出られた居住実態に基づく統計のことで、私たちの暮らしや経済の土台を示す極めて重要な指標です。地方の衰退は巡り巡って都市の活力を奪い、日本という国全体の体力を奪っていくことになるでしょう。限られたパイを自治体間で奪い合うのではなく、持続可能な社会をどう構築するかが問われています。しかし、現在行われている2019年参院選の論戦を眺めてみると、この深刻な事態への具体的な処方箋が示されているとは言い難い状況です。

編集部としては、選挙という舞台こそが、数十年先を見据えた長期的な国家ビジョンを議論する最良の場であるべきだと確信しています。目の前の景気対策や短期的な利益の分配に終始するのではなく、人口減少を前提とした新しい豊かさの定義を政治家には示してほしいものです。私たち有権者もまた、2019年07月21日の投開票日に向けて、どの候補者が未来の人口構造に対して誠実な議論を行っているかを厳しく見極めていく必要があるのではないでしょうか。

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