東北地方の経済を支える屋台骨である信用金庫が、今まさに大きな転換期を迎えています。2019年7月18日に発表された最新の決算データによると、東北に拠点を置く27の信用金庫のうち、実に18の金庫が最終損益で減益または赤字に陥るという厳しい現実が浮き彫りになりました。地域の中小企業や住民に最も近い存在である彼らに、一体何が起きているのでしょうか。
今回の決算において、27信金合計の最終利益は前の期と比較して43%も減少しており、その落差は驚きを禁じ得ません。貸出金の残高自体は伸びを見せているものの、収益性がそれに伴っていないという歪な構造が見て取れます。これは「利ざや」、つまり貸付金利と預金金利の差から生まれる収益の幅が、歴史的な低金利政策の影響で極限まで縮小してしまったことが最大の要因です。
さらに注目すべきは、「実質業務純益」が悪化している点でしょう。これは銀行の本業による稼ぎを示す非常に重要な指標ですが、17の金庫でこの数字が落ち込んでいます。SNS上では「地元の金庫がこれほど苦戦しているとは」「利息がつかない時代は預ける側も借りる側も複雑だ」といった不安の声が広がっており、地域コミュニティにおける金融機関の持続可能性について関心が高まっています。
拡大する与信費用と2020年を見据えた経営課題
利益を押し下げたもう一つの大きな要因は、「与信費用」の拡大です。聞き慣れない言葉かもしれませんが、これは取引先の経営悪化に備えて積み立てるお金や、回収不能になった際の損失などを指します。景気の先行き不透明感が増す中で、このコストが増大したことが各金庫の体力を削る形となりました。2019年3月期は、まさに内憂外患の決算だったと言えるでしょう。
今後を占う2020年3月期の見通しについても、12の金庫がさらなる減益を予想しており、楽観視できない状況が続いています。私は、こうした局面こそ信用金庫が「単なる貸し手」から脱却するチャンスだと考えています。金利だけに頼るビジネスモデルは限界を迎えており、今後は企業の経営相談や事業承継といった、より深いコンサルティング機能を提供できるかどうかが生き残りの鍵を握るはずです。
地域密着という独自の強みを持つ彼らが、この荒波をどう乗り越えていくのか、私たちは注視していく必要があります。金融機関の健全性は、そのまま地域の活力に直結するからです。単なる数字の羅列を超えた、血の通った支援が展開されることを期待せずにはいられません。厳しい冬の時代だからこそ、東北の粘り強さを発揮した新しい金融の形が模索されるべきではないでしょうか。
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