2019年5月27日、宮城県庁にて村井嘉浩知事と小池百合子都知事が固い握手を交わしました。これは、私たちの生活に欠かせない「水道」を守るための、自治体の枠を超えた画期的な連携のスタートでした。宮城県と東京都が手を組み、持続可能な水道サービスの実現に向けて大きく動き出した瞬間です。
具体的な協力の第一歩として、同年7月から東京都水道局の精鋭職員2名が宮城県へ派遣されることになりました。世界最高水準とも称される東京の水質検査ノウハウを惜しみなく提供し、さらには災害時における人材や物資の相互支援体制も約束されています。「東京の水」を支える高度な技術が、遠く離れた宮城の地で活かされることになるわけです。
この強力なタッグの背景には、宮城県が進める大きな改革構想がありました。それは2021年度を目指した「コンセッション方式」の導入です。聞き慣れない言葉かもしれませんが、これは水道施設の「所有権」を自治体に残したまま、「運営権」だけを民間企業に長期間委ねる手法を指します。老朽化が進む設備の更新費用を、民間の資金と経営手腕で乗り切ろうという狙いがありました。
当時、このニュースはネット上でも大きな反響を呼びました。「大都市のノウハウ共有は心強い」と歓迎する声がある一方、将来的な事実上の民営化に対し「料金が高騰するのでは?」といった不安の声も聞かれました。命のインフラをどう守り抜くのか。東京と宮城の挑戦は、全国の自治体が注目する重要な試金石となったと言えるでしょう。
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