2019年07月19日現在、東京都心のオフィス市場は、かつてないほどの熱気に包まれています。ビジネスの心臓部である都心エリアでは、オフィスを借りたいという需要が非常に旺盛で、空室率は驚くべき低水準を維持し続けているのです。この歴史的な「品薄状態」は、そのまま賃料の上昇という形で市場に現れており、企業の拠点探しはますます熾烈な争いとなっています。
こうした状況の中、今後の市場を占う上で鍵を握るのが、空室率に現れ始めたわずかな「変化の兆し」でしょう。これまで右肩上がりを続けてきた市況に、景気の先行き不透明感が影を落とし始めています。果たしてこの空室率の低さはいつまで続くのでしょうか。今回はオフィス市場のスペシャリストである、三幸エステートの今関豊和チーフアナリストによる深い洞察をもとに、最新の展望を紐解いていきます。
IT産業が支える賃料上昇のメカニズムと空室率の現状
現在の賃料高騰を力強く牽引しているのは、急速な成長を遂げているIT関連企業です。クラウドサービスやAI開発といった分野の拡大に伴い、優秀な人材を確保するために、利便性の高い都心オフィスを求める動きが加速しました。専門用語で「空室率」とは、ビル全体の面積のうち、契約が決まっていない部屋の割合を指しますが、現在はこれが極めて低く、企業が引っ越したくても場所が見つからない状態が続いています。
SNS上では「新しいオフィスを探しているけれど、希望の条件に合う物件が全く出てこない」といった悲鳴に近い声が散見されます。また、驚くような高値で成約したというニュースに対して「バブルのような勢いを感じる」といった反応もあり、現場の熱量がネットを通じても伝わってくるようです。都心のビルオーナー側からすれば、まさに追い風が吹き荒れている状況と言えるかもしれません。
しかし、足元ではわずかながら空室率が上昇に転じる気配も見え始めており、これが一時的な調整なのか、それとも大きなトレンドの転換点なのかが注目されています。私は、現在のIT企業主導の成長は実需に基づいたものだと考えていますが、世界経済の動向次第では、過熱した市場が冷え込むリスクも否定できません。今はまさに、攻めと守りの経営判断が分かれる、非常にスリリングな局面にあると言えるでしょう。
2019年07月19日の時点では、まだオフィス不足の感覚が強いものの、新しい大型ビルの竣工が控えていることも事実です。これら「新築供給」が市場に加わることで、需給バランスがどのように変化するのかを注視する必要があります。投資家や経営者の皆様は、今の好景気に甘んじることなく、データの裏側にある予兆を敏感に察知し、次なる一手に備えるべきタイミングが来ているのではないでしょうか。
コメント