2019年07月20日現在、アジア市場における合成樹脂の取引価格がようやく底を打ち、反転の兆しを見せています。私たちの生活に欠かせない包装用フィルムや日用雑貨の材料となる「低密度ポリエチレン(LDPE)」は、直近で1トンあたり1000ドルから1040ドル程度で推移するようになりました。これは同年6月末に記録した安値と比較すると、およそ6%も高い水準となります。
価格が持ち直した背景には、世界経済を揺るがしている米中貿易摩擦への過度な警戒感が和らいだことが挙げられます。特に中国をはじめとするアジア圏の需要家たちが、市場でその都度契約を結ぶ「スポット調達」を再開した動きが目立ちます。SNS上でも「ようやく中国の買いが戻ってきたか」「一時期のパニック売りは収束したようだ」といった、市場関係者による安堵の声が広がっている状況です。
首脳会談が転換点に!改善する市場心理と原油高の影響
大きな転機となったのは、2019年06月29日に開催された米中首脳会談でした。この場で懸念されていた対中制裁関税「第4弾」の発動先送りが決定したことで、冷え込んでいた投資家や企業の心理が劇的に改善したのです。石油取引仲介大手の専門家も、中国国内の価格上昇に伴ってアジア市場全体に買いの勢いが波及し始めたと分析しており、負の連鎖は断ち切られたと言えるでしょう。
また、原材料に直結する原油価格の動向も見逃せません。2019年06月中旬から原油価格が上昇に転じたことを受け、合成樹脂の製造コストが押し上げられた側面もあります。国内の合成樹脂大手メーカーからは、原料コストの変動が製品価格へダイレクトに反映され始めたとの指摘が出ており、需給バランスとコストの両面から価格が支えられていることが浮き彫りになりました。
ポリプロピレンも反発!今後の市場展望と編集部の視点
自動車部品や家電の成型品に多用される「ポリプロピレン」も、1トンあたり1040ドルから1060ドル程度まで値を戻しました。2019年06月末と比較すると5%前後の上昇を見せており、樹脂市場全体が活気を取り戻しつつあります。アメリカによる制裁関税の影響で一時は大幅に下落していましたが、最悪のシナリオを免れたことで、実需に基づいた取引が正常化に向かっていると推察されます。
編集部としては、今回の価格回復はあくまで「一時的な休戦」による安堵感が生んだものだと考えています。米中関係の不透明さは依然として解消されておらず、再び関税問題が再燃すれば、市場は瞬時に冷え込むリスクを孕んでいるでしょう。しかし、物流の要である合成樹脂に買いが入ることは、実体経済の底堅さを示すポジティブなサインであり、今後の景気動向を占う上で非常に重要な指標になると期待しています。
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