岡山県の北西端に位置する自然豊かな新庄村から、驚きの新商品が届きました。村の第三セクターである「メルヘン・プラザ」が、特産品の餅米「ヒメノモチ」を原料に使用した、全国的にも極めて珍しいクラフトビールの開発に成功したのです。2019年07月20日より、村の象徴とも言える道の駅「がいせん桜 新庄宿」での販売が開始され、早くも訪れる人々の注目を集めています。
今回主役となった「ヒメノモチ」は、1983年より村内で栽培がスタートした歴史ある品種です。この餅米は非常に色が白く、コシが強いのが特徴で、今や村を代表するブランドとして確立されました。メルヘン・プラザでは、2018年にもこの餅米の特性を活かした「うどん」などの麺類4種を土産品として展開しており、今回のビール開発はその情熱が新たな形として結実したものと言えるでしょう。
クラフトビールとは、小規模な醸造所が情熱を注いで作る「工芸品」のようなビールのことを指します。今回の製造を支えたのは、京都・丹後地方で高い技術を誇る「丹後王国」です。餅米特有の優しい甘みを最大限に引き出すため、専門家との二人三脚で試行錯誤を繰り返し、ようやく納得のいく味わいに辿り着きました。大手メーカーのビールとは一線を画す、奥深い個性が光る仕上がりです。
商品名は、その特徴をストレートに表現した「もち米と麦のクラフトビール」と命名されました。アルコール度数は5%と親しみやすく、330ミリリットル入りのボトルが税込650円で提供されています。ラベルのデザインにもこだわりが詰まっており、新庄村の美しい街並みを彩る、赤茶色の「石州瓦(せきしゅうがわら)」をイメージした色彩が採用されました。石州瓦とは島根県で伝統的に作られる、寒さに強く耐久性に優れた屋根瓦のことです。
SNS上では早くも「お餅がビールになるなんて想像がつかない」「新庄村の桜並木を見ながら飲んでみたい」といった期待の声が寄せられています。特産品をそのまま売るだけでなく、加工品として付加価値を高める手法は、地域の未来を切り拓く素晴らしい試みではないでしょうか。私は、こうした伝統と革新が混ざり合う取り組みこそが、地方創生の本来あるべき姿だと強く感じています。
餅米の甘みと麦の香りが織りなすハーモニーは、一度飲んだら忘れられない体験になるはずです。美しい「がいせん桜」に思いを馳せながら、この特別な一杯を手に取ってみてはいかがでしょうか。村の人々の愛情がたっぷり注がれたこのクラフトビールは、観光客のみならず、地元の方々にとっても誇らしい新しい特産品として、長く愛される存在になっていくことでしょう。
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