2019年7月21日、九州北部を中心とした地域は、かつてないほどの激しい豪雨に見舞われました。接近した台風5号の影響により、南から非常に暖かく湿った空気が大量に流れ込んだことが原因です。この湿った空気が積乱雲を次々と発達させ、各地に「猛烈な雨」をもたらしました。猛烈な雨とは、1時間に80ミリ以上の雨量を示す言葉で、まるでバケツをひっくり返したような視界を遮るほどの激しさを指します。
特に福岡県久留米市では1時間に90ミリ、佐賀県鳥栖市では81.5ミリという驚異的な雨量を記録し、両市ともに観測史上最高の数値を更新しています。この未曾有の事態を受け、自治体からは5段階の警戒レベルのうち、全員避難を意味する「レベル4」の避難指示や勧告が発令されました。SNS上でも、道路が冠水し身動きが取れなくなった様子や、濁流となった河川の映像が次々と投稿され、現地の緊迫した状況に日本中が息を呑んでいます。
折しも2019年7月21日は参議院議員通常選挙の投開票日でしたが、この記録的な大雨は民主主義の行事にも影を落としました。久留米市では市民の安全を最優先に考え、市内に設置されたすべての投票所において、開始時刻を予定より2時間遅らせるという異例の措置を講じています。悪天候の中、懸命に一票を投じようとする有権者からは、自身の安全確保と権利行使の間で葛藤する声が上がり、災害時の選挙運営の難しさが改めて浮き彫りとなりました。
また、台風の影響が始まった2019年7月17日からの総雨量に目を向けると、高知県本山町ではすでに500ミリを超える雨が降り続いています。これだけの雨が短期間に集中すると、地表の水分が飽和状態となり、地盤が極めて緩みやすくなります。たとえ雨が小康状態になったとしても、わずかな刺激で斜面が崩れる土砂災害の危険性が高まっており、決して油断は許されません。九州や四国にお住まいの方は、山沿いや急傾斜地には絶対に近づかないよう注意が必要です。
今後の予報によりますと、2019年7月22日18時までの24時間で、四国では180ミリ、九州南部で120ミリ、九州北部で100ミリ、中国地方でも80ミリの雨が見込まれています。2019年7月21日には他にも高知県本山町で1時間に62.5ミリ、鹿児島県枕崎市で55ミリといった非常に激しい雨が観測されました。私たちは自然の驚異を謙虚に受け止め、気象庁が発表する最新の情報を常時チェックし、自らの命を守るための迅速な行動を心がけるべきでしょう。
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