2019年07月27日、日本の農業シーンに衝撃的なニュースが飛び込んできました。栃木県下野市に本社を置く園芸施設機器のトップランナーである誠和と、通信大手のKDDI、そして栃木県石油協同組合の3者が、施設園芸の効率化を目指して強力なタッグを組むことが発表されたのです。この異色とも言える連携は、単なる機器の販売促進にとどまらず、エネルギー供給と最新の通信テクノロジーを融合させた、全く新しいスマート農業の形を提示しています。
今回のプロジェクトの核となるのは、誠和が給湯器大手のノーリツと共同開発した二酸化炭素(CO2)供給システム「真呼吸」です。2019年08月から本格的な販売が開始されるこのシステムは、税別130万円からという価格設定ながら、その性能は極めて画期的といえます。そもそも植物は光合成を行うためにCO2を必要としますが、ハウス内の濃度を高めることで作物の成長を劇的に促すことができるのです。農業の常識を塗り替える可能性を秘めた装置といえるでしょう。
夏場の農業を救う「冷たいCO2」とIoTの融合
「真呼吸」の最大の特徴は、供給されるCO2が低温であるという点にあります。これまでのシステムでは排出ガスの温度が高く、気温が上昇する夏季にはハウス内での使用が難しいという課題を抱えていました。しかし、この新システムは温度を低く抑えることで、一年中最適な栽培環境を維持することを可能にしています。暑い時期でも収穫量を落としたくない農家の方々にとって、まさに待ち望んでいた技術革新ではないでしょうか。現場のニーズを的確に捉えた、誠和ならではの視点を感じます。
ここでKDDIが提供する最新の「IoT技術」が重要な役割を果たします。IoTとは、あらゆるモノをインターネットで繋ぐ技術のことで、今回は石油タンクの残量を遠隔で監視するシステムが導入されました。誠和のシステムは灯油を燃料とするため、燃料切れは死活問題となります。KDDIの実証実験によれば、早ければ半年後にも実用化される見通しとなっており、農家はスマートフォンなどで燃料の状態を把握できるようになります。管理の手間が省けるだけでなく、配送の効率化も期待できそうです。
この取り組みに対し、SNS上では「夏でもCO2が使えるのは夢のよう」「スマホで燃料チェックができるなんて、まさに未来の農業だ」といった期待に満ちた声が次々と上がっています。特に若手の就農者からは、テクノロジーによって重労働や管理の負担が軽減されることへの歓迎ムードが強く感じられます。一方で「初期投資に見合う収益が上がるのか」といった、シビアな経営的視点からの意見も見受けられ、業界全体の関心の高さが伺える状況です。
私自身の見解としては、今回の三者連携は日本の農業が抱える高齢化や労働力不足という深刻な問題に対する、一つの理想的な解法であると確信しています。製造、通信、そして流通を担う石油組合が一体となることで、技術を単なる「道具」で終わらせず、持続可能なビジネスモデルへと昇華させている点が素晴らしいですね。栃木県から始まるこの革新的な取り組みが、全国の石油協同組合を通じて日本中に波及していくことで、私たちの食卓を支える農業はより強固なものへと進化するに違いありません。
コメント