【川崎信用金庫】2019年3月期決算速報!純益52%増の秘訣は「システム合理化」と「都市型融資戦略」にあり

神奈川県を地盤とする川崎信用金庫(川崎信金)は、2019年6月5日に、2019年3月期の決算を発表しました。その内容は、地域金融機関を取り巻く厳しい環境の中で、純利益が前期比52%増の26億2600万円を達成するという目覚ましいもので、金融業界内外で大きな注目を集めています。これは、純利益、そして本業の収益力を示す実質業務純益ともに2期連続での増加を記録したことになります。現在の低金利時代において、この増益はまさに「優良事例」と呼ぶべきでしょう。

この好業績の要因は、主に2つのポイントに集約されます。一つは、業務の**「合理化」による経費削減です。川崎信金は2018年1月に新しい「勘定系システム」を導入しました。これは預金、為替、融資といった金融機関の基幹業務を処理する、いわば心臓部となるITシステムのことです。このシステムの刷新によって業務効率が大幅に向上し、人件費やシステム維持費などの経費を大幅に削減することができました。その結果、本業の儲けを示す実質業務純益は、前期比41%増の31億3500万円**にまで押し上げられたのです。これは、デジタル技術を駆使した経営改革がいかに重要であるかを証明する好例だと言えるでしょう。

もう一つの要因は、積極的な**「融資戦略」**です。2019年3月末時点の貸出金残高は、前期末と比べて4%増の1兆1520億円となりました。特に、不動産賃貸業向けの融資は3998億円と8%も増加しています。一部の地域金融機関では、アパート建設などの不動産賃貸業に対する融資が「過剰ではないか」と問題視される動きも見られますが、川崎信金はこの点について確固たる自信を示しています。

同信金の小泉知寛常務理事は「川崎市は東京都心に近く、持続的な人口増加が続いているため、アパートなどの建設需要が非常に根強い地域です。融資先の物件の入居率も90%以上と高水準を維持しており、リスクは限定的である」と説明しています。つまり、地域特性をしっかりと見極め、堅実な需要に基づいた融資を積極的に展開していることが、貸出金増加と収益確保に繋がっているというわけです。この**「都市近郊型の安定した不動産需要」**にフォーカスした戦略は、非常に理にかなっていると評価できます。

このような好決算のニュースは、SNSでも大きな反響を呼んでいます。特に「信金がIT投資で成果を出した」という点に対しては、「地方の金融機関も変わってきている」「地道なシステム改革が結果に出るのは素晴らしい」といった称賛の声が多く見受けられました。また、「川崎市の立地優位性を最大限に活かした戦略が功を奏している」という分析や、**「地域密着とデジタル化の両立」**が今後の金融機関の生き残りの鍵となるだろうという意見も多数投稿されています。今回の決算は、全国の地域金融機関にとって、今後の経営モデルを考える上での重要な示唆を与えるものとなるでしょう。

しかしながら、この増益傾向が持続するかどうかは予断を許しません。川崎信金が2020年3月期に見込む業績は、やや慎重な見通しです。実質業務純益は27%減の22億8200万円、純利益は24%減の20億円となる見込みです。この背景には、長期にわたる金利の低下傾向があります。満期を迎えた国債や地方債の再投資を減らしていることから、保有する有価証券からの運用益が減少するでしょう。さらに、今後の競争を勝ち抜くためのIT(情報技術)システムへの積極的な投資などにより、費用も膨らむことが予測されているのです。2019年3月期の業績は非常に優秀でしたが、この「収益環境の悪化」と「未来への投資」という難題に、川崎信金がどのように立ち向かうのか、今後も注目していく必要があるでしょう。

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