【奇跡の復旧劇】西日本豪雨で崩落した高知道「立川橋」が夏休み前に完全開通!前例なき難工事を支えた「チームタヂカワ」の驚異的な挑戦

地域社会、地域経済

2018年7月、西日本を襲った歴史的な豪雨、いわゆる「西日本豪雨」は、甚大な被害をもたらしました。その猛威により、高知自動車道の上り線に架かる立川橋(たぢかわばし、高知県大豊町、全長63.5メートル)が土砂崩れで無残にも崩落してしまいました。しかし、この前代未聞の事態に対し、西日本高速道路(NEXCO西日本)をはじめとする関係者は諦めませんでした。当初の予定通り、交通量が大幅に増加する夏休み前の開通という目標に向け、復旧工事は順調に進んでいるという朗報が届いています。

当時の状況は想像を絶するものでした。2018年7月7日午前3時ごろ、豪雨によって山の斜面が幅90メートル、全長320メートルにわたって崩れ落ち、立川橋は3本の橋脚を残すのみで、道路の上部構造(橋桁など)が完全に押し流されてしまったのです。NEXCO西日本にとって、これは過去に例のない極めて深刻な事態でした。この大動脈の寸断は、物流や地域経済に大きな影響を及ぼし、一刻も早い復旧が求められていたのです。

現場では、NEXCO西日本や鹿島などで構成された復旧チーム「チームタヂカワ」が、困難極まる作業に挑みました。まず立ちはだかったのは、崩落後に残された450トンにも及ぶ膨大な量の土砂と流木でした。斜面が不安定な状態では新たな道路建設など到底不可能ですから、これらの残骸を撤去することが最優先されました。しかし、急峻な斜面で重機を使うためには、まずそのための「道」を整備する必要があったのです。

復旧工事長の平山浩司氏は「復旧作業は困難を極めた」と語っています。チームは、幸いにも斜面の下にあった町道をコンクリートで固め、そこから急角度の斜面上部へとジグザグ状に作業用の車道を新設するという、まさに綱渡りのような難工事を遂行しました。作業員の安全に細心の注意を払いながら、大型・小型のパワーショベルや特殊車両の不整地運搬車、ダンプカーといった多種多様な重機が投入されました。私は、この難関を突破するための知恵と工夫、そして安全を最優先する姿勢に、心から敬意を表したい気持ちでいっぱいです。

土砂の除去作業は、まるで人間がバケツリレーをするように、機械が土砂を「リレー」する方式で進められました。有人の小型パワーショベルが斜面上方から土砂を掻き、中間地点の平場(たいらな場所)に落とします。そこで待機する大型パワーショベルがさらに下の平場へ。そして、不整地運搬車が土砂を積み込み、最終的に斜面下のダンプカーへと引き継がれていきました。平山氏の言葉によれば、「当初、小型パワーショベルがひとかきした土砂がダンプにたどり着くまで数日かかった」というほど、気の遠くなるような手間と時間がかかる作業だったようです。この土砂はその後、近くの河川で土のうとして治水(河川の氾濫を防ぐための工事や管理)に役立てられ、災害の経験が次の防災に活かされるという、素晴らしい循環が生まれたと言えるでしょう。

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困難を乗り越えた「チームタヂカワ」の情熱と成果

この緻密で過酷な作業は、日曜日を除く午前8時から午後5時まで休むことなく続けられました。現場で5月末に確認された際には、橋桁や道路の壁面などの上部構造物が元通りになり、復旧のゴールが見えてきていました。道路の壁面は、木製の型枠を現場で組み、そこにコンクリートを流し込んで固めるという、基礎的でありながら確実な工法で再建が進められていたのです。この一連の復旧作業に加わった就労人員は、延べ約1万1300人にものぼります。この数字は、いかに多くのプロフェッショナルたちがこの大事業に情熱を注いだかを物語っています。

被災後、立川橋付近では、崩落を免れた下り線を使い、約8キロメートルにわたって2車線対面交通が実施されていました。高知道は2008年7月に上下線で4車線化されて以来、被災するまで渋滞が発生していませんでしたが、対面交通となってからは今年(2019年)5月末までに26回も渋滞が発生しています。この事実は、高知道が地域にとってどれほど重要な幹線道路であるかを浮き彫りにしています。

NEXCO西日本は、この高知道を将来起こりうる南海トラフ地震が発生した際の高知のライフライン(生命線となる重要な交通・通信・供給システム)として位置づけています。そのため、今回の完全復旧は、単に道路を元に戻すという以上の、防災と地域の持続可能性に直結する大きな意味を持っています。私は、今回の迅速かつ安全な復旧作業は、日本の土木技術とチームワークの結晶であり、将来の巨大災害に向けた貴重な経験と教訓になったと確信しています。この感動的な復旧劇は、多くの人々の記憶に残るでしょう。

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