2019年08月21日、イギリスが目指している欧州連合(EU)からの離脱、いわゆる「ブレグジット」を目前に控え、国内の中小企業が深刻な準備不足に直面しています。特に資金力の乏しい小規模事業者にとって、流通網が混乱した際に備えるための在庫確保は、極めて高いハードルとなっているのが現状です。政府による支援策も十分に行き渡っているとは言い難く、現場からは悲痛な叫びが上がっています。
こうした企業が取り扱う品目は、食料品や嗜好品といった私たちの日常生活に密接に関わるものが中心です。もし離脱の影響でこれらの供給が滞り、市民生活に目に見える支障が出れば、強硬な姿勢を崩さないジョンソン政権に対する有権者の風当たりは一気に強まるでしょう。ロンドンの大英博物館付近で店を構える花屋「オーキディア」や、飲料輸出を手掛ける「ビーブ」など、多くの現場で先行きへの不安が渦巻いています。
英国経営者協会の最新の調査データによれば、驚くべきことに約6割の企業が「いまだに緊急時の対応策を決定できていない」と回答しました。ここで言う「緊急対応策」とは、関税手続きの変更や物流の停滞といった不測の事態に対し、事業を継続させるための具体的な行動指針を指します。SNS上でも「クリスマス前の物流はどうなるのか」「中小企業を切り捨てるのか」といった、政府の対応を疑問視する声が次々と投稿されています。
編集者の視点から申し上げれば、この問題の本質は単なる経済政策の遅れではなく、国家の根幹を支える「地場産業」への想像力の欠如にあると感じざるを得ません。大企業がロビー活動を通じて対策を講じる一方で、街の商店や小さな輸出業者が置き去りにされる現状は、民主主義のあり方としても危うさを孕んでいます。ジョンソン首相は、国民の台所事情が直撃する前に、より具体的で血の通った中小企業支援を急ぐべきではないでしょうか。
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