2019年08月22日現在、中国経済の勢いに明暗が分かれています。深センをはじめとする南部が急速なデジタル化やイノベーションで躍進を遂げる一方で、かつて「重工業の拠点」として栄華を誇った東北部では、成長の歯車が重く沈み込んでいるようです。この地域が抱える最大の課題は、肥大化した国有企業の抜本的な見直しに他なりません。
中国政府は現在、民間の柔軟な資本や経営ノウハウを取り入れる「混合所有制改革」を強力に推進しています。これは、官僚的になりがちな国営組織に民間の競争力を注入し、体質改善を図る画期的な仕組みといえるでしょう。しかし、この東北部では企業の全収入に占める国有企業のシェアが約4割と、全国平均の2割を大きく上回る異常な事態が続いています。
改革を阻む「ゾンビ企業」と利権の厚い壁
その停滞の象徴と言えるのが、名門工作機械メーカーである瀋陽機床の現状でしょう。同社は多額の負債を抱え、自力での再生が極めて困難な、いわゆる「ゾンビ企業」と化しています。倒産すれば大量の失業者が溢れるため、政府が補助金などで支援を続けて延命させている状態ですが、これが市場の健全な代謝を妨げる皮肉な結果を招いているのです。
なぜここまで改革が進まないのか、その背景には根深い「利権」の構造が透けて見えます。既得権益を手放したくない現地勢力の抵抗が激しく、北京の中央政府との調整が難航している実態があるようです。古い体制に固執するあまり、新しい産業への転換が遅れているこの構図は、地域経済にとって極めて深刻な問題と言わざるを得ません。
SNS上でも「東北の景色だけ時間が止まっているようだ」といった嘆きの声や、「ゾンビ企業に公金を投じ続けるのは限界がある」といった厳しい批判が相次いでいます。若者の流出を危惧する書き込みも目立っており、ネットユーザーの間でもこの地域の閉塞感に対する危機感が、かつてないほど高まっているのがリアルに伝わってきます。
私自身は、目先の雇用を守ることも重要ですが、痛みを伴う外科手術なしに東北部の真の再生はあり得ないと確信しております。ゾンビ企業を淘汰し、新たな産業の芽を育てる決断こそが、巡り巡って住民の未来を守ることに繋がるはずです。この2019年08月22日という節目が、歴史の転換点となることを切に願って止みません。
コメント