日本の金融シーンに、また一つ大きな変革の波が訪れようとしています。大手IT企業の富士通は2019年08月26日、金融機関を対象とした新しいサービスを発表しました。それは、人工知能(AI)を活用して個人の信用度を数値化する「信用スコア」機能の提供です。この画期的なシステムは、2019年10月から本格的に稼働する予定となっており、融資の在り方を根本から変える可能性を秘めています。
ここで注目すべき「信用スコア」とは、個人の年収や勤務先といった従来の属性情報だけでなく、日々の商取引の履歴や行動データをAIが多角的に分析し、その人の「信頼度」を点数で表したものです。これまで銀行などの金融機関が融資を判断する際は、過去の実績や担保の有無が重視されてきました。しかし、このスコアリング技術の導入によって、目には見えにくい誠実さや事業の将来性が、データとして客観的に証明される時代がやってくるのです。
個人事業主の強い味方に!クラウドが拓く融資の新境地
今回のサービスが特に照準を合わせているのは、これまで資金調達に苦労することが多かった個人事業主の方々です。富士通は、取引履歴などのビッグデータをAIに学習させることで、精度の高いスコアリングを実現しました。これにより、従来の審査基準では融資を受けにくかった層に対しても、適切な貸し出しのチャンスが広がることが期待されます。2019年10月のサービス開始は、多くの中小零細企業にとって大きな転換点となるでしょう。
導入を検討する金融機関にとっても、このサービスは非常に魅力的です。専門的な知識を持つ人材が不足していても、インターネット経由でソフトを利用できる「クラウド型」で提供されるため、大掛かりな設備投資を抑えて導入することが可能です。このクラウドとは、自社でサーバーを持たずに、ネットワーク越しに高度な計算機能を利用する形態を指します。これにより、地方銀行なども手軽に最新のAI技術を取り入れることができ、地域経済の活性化にもつながるはずです。
料金体系についても、富士通は非常に柔軟な姿勢を見せています。初期費用や月額料金に加え、実際に融資が成立した際の手数料を分け合う「成果報酬型」も用意されました。同社は既に多くの金融機関に基幹システムを提供しており、その強固なネットワークというパイプラインを活用することで、一気にシェアを拡大させる構えです。テクノロジーが金融のインフラを更新していく様子は、まさに現在のフィンテックブームを象徴する出来事と言えます。
SNSでの期待と懸念の声、そして編集部が考える「信用の未来」
このニュースに対し、SNS上では早くも多様な意見が飛び交っています。「これからは実績がなくても、真面目に仕事をしていれば評価されるようになるのか」と期待を寄せる声がある一方で、「自分の行動がすべて点数化されるのは少し怖い」というプライバシーへの不安を感じる反応も見受けられました。新しい技術に対する期待と戸惑いが入り混じっている様子が伺えますが、関心の高さは非常に強いものであることは間違いありません。
私自身の見解としては、このAIによる信用スコアの普及は、社会の「公平性」を高める一助になると考えています。従来の形式的な審査から漏れてしまっていた才能ある起業家や個人事業主に光が当たることは、日本経済全体の底上げに繋がるでしょう。もちろん、データの透明性やプライバシー保護は不可欠な課題ですが、数字という共通言語で信頼を証明できる仕組みは、より自由な働き方を後押しするはずです。2019年10月のスタートを皮切りに、金融の民主化が加速することを切に願っています。
コメント