📱LINEがAIと決済で「24時間生活サポート」へ大攻勢!事業戦略で描く国内インフラ化の未来

国内で月間8,000万人という圧倒的な利用者数を誇るコミュニケーションアプリ「LINE」が、2019年6月27日に開催された事業戦略説明会「LINEカンファレンス」で、対話アプリの枠を超えた次なる成長戦略を次々と打ち出しました。その中心にあるのは、国内での生活インフラとしての存在感を強固なものにし、「24時間、寝るまで、全ての皆様の生活をサポートする」という壮大なビジョンです。特に注目を集めたのが、長年培ってきたAI技術の外販や、国内の競合他社との大規模な決済連携といった、これまでにない大胆な施策でしょう。

事業戦略発表の場で、舛田淳取締役がデモンストレーションを行ったのは、LINEが開発したAI「DUET」でした。これは音声認識技術や音声合成、そしてAIが自動で回答を行う「チャットボット」技術を組み合わせたシステムです。現時点ではレストランの予約やキャンセルに限定されていますが、今後は対応できる用途を広げていく計画であると説明がありました。この8,000万人という巨大な利用者基盤で鍛え上げられたAI技術を外部に開放する取り組みが、2019年7月より開始される有償事業「LINEブレイン」です。まずはAI人材が不足している企業向けに言語解析の技術を共有し、開発専門家がいなくても「チャットボット」などのAI技術を活用できるようにサポートする考えです。

また、外部企業とのAIを活用した新サービスの共同開発も加速させる方針です。すでにトヨタ自動車と組んで音声で操作するカーナビゲーションシステムへの参入を進めているほか、スカパーJSATと伊藤忠商事とは次世代型テレビの共同開発を始めることを明らかにしました。この次世代型テレビでは、テレビ画面に映っている商品をその場ですぐに調べたり購入したりできる機能などを開発していくとしており、私たちの生活シーンにAIが深く浸透していく様子がうかがえるでしょう。

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国内決済シェア争いを塗り替えるか?3社連合による「相互開放」の衝撃

今回の説明会で、ユーザーにとって特に大きなメリットとなるのが、スマートフォン決済サービスにおける提携戦略です。LINEは、NTTドコモとの提携を発表し、さらに3月末にフリマアプリのメルカリと結んだQRコード決済の加盟店共有の枠組みに、ドコモも参画する形となります。これにより、「LINE Pay(ラインペイ)」「メルペイ(メルカリ)」「d払い(ドコモ)」という国内を代表する3社の決済サービスが、加盟店を相互に開放し合うことになるのです。この相互開放により、現時点でおよそ90万カ所で利用可能なLINE Payのコード決済ユーザーは、メルペイの45万カ所とd払いの10万カ所に対応した加盟店でも、各社のサービスを利用できるようになり、利便性が飛躍的に向上することになるでしょう。

この3社連合の発表は、特にSNS上で大きな反響を呼びました。「これは決済が本気で便利になる!」「3大サービスが手を組むなんて想像外だった」といった驚きの声や、「競争より協調を選んだことで、キャッシュレス化が一気に進みそう」といった期待のコメントが多く見受けられました。これは、国内のスマホ決済シェア争いにおいて、LINEの戦略が決定的な局面を迎えたことを示唆していると考えられます。

決済以外の金融事業では、ユーザーの行動傾向データなどに基づいて信用力をスコアリングする「LINEスコア」の提供も開始されたと報告されました。これは、生年月日などの質問への回答や、LINE上のコンテンツ、金融系サービスの利用状況などから得られたデータを組み合わせて、100点から1,000点までの間で点数を付ける仕組みです。この「信用スコア」を民泊サービスの「Airbnb(エアビーアンドビー)」や個人間カーシェアの「Anyca(エニカ)」など10以上のサービスと連携させて活用し、2019年夏には短期間の融資サービスを始める予定です。これは、従来の金融機関の評価とは異なる、新しい形の与信システムと言えるでしょう。

世界戦略からの転換?国内ユーザー深掘りでアプリ価値を最大化

LINEは、米フェイスブックの「WhatsApp(ワッツアップ)」や「Messenger(メッセンジャー)」、中国テンセントの「WeChat(ウィーチャット)」といった世界で10億人を超える利用者を持つ巨大アプリに海外で後れをとっています。LINEのユーザー数は日本を含めても約2億人にとどまり、海外で一定のシェアを獲得できたのはタイ、台湾、インドネシアの3カ国・地域に限定されているのが実情です。そこでLINEが選んだのは、世界でのシェア争いよりも、圧倒的なシェアを握る国内顧客基盤の深掘りという戦略でした。

国内の月間利用者数8,000万人のうち、86%が毎日利用するという驚異的な利用率を誇るLINEは、提携戦略や新サービスの導入によってアプリの価値を一層高めています。実際に、連結売上高を利用者数で割った利用者1人当たりの売上高は、2016年12月期に約700円だったものが、2018年12月期には1,000円を超えており、収益性の向上が見て取れます。しかし、2019年5月末にはスマホ決済で総額300億円の還元キャンペーンを打ち出すなど、大規模な投資計画によって、資金負担が大きくのしかかっていることも事実です。最高WOW責任者(CWO)である慎ジュンホ氏が推し進める「24時間生活サポート」戦略を成功させるためには、今回打ち出された一連の事業について、早期に確実な収益化の道筋を示すことが求められるでしょう。

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