中国のEC(電子商取引)市場に、大きな激震が走りました。ネット通販大手として知られる京東集団(JDドットコム)が、2019年08月26日に発表した同年4月から6月までの四半期決算において、純利益が6億元を超える劇的な黒字転換を達成したのです。前年同期の赤字という苦境を跳ね除け、売上高でも過去最高を塗り替えるという目覚ましい躍進を遂げたことが判明しました。
今回のV字回復を支えた最大の要因は、自社で抱える巨大な物流ネットワークの効率化にあります。これまでの同社は、荷物を届ける「物流」に多額の投資を行ってきましたが、今回はあえて給与体系の抜本的な見直しに踏み込みました。いわゆる「コストセンター」と見なされがちな物流部門の経費を抑制することで、利益を生み出しやすい体質へと鮮やかに変化させたといえるでしょう。
SNS上では「配送の質が落ちないか心配だ」という慎重な意見が見られる一方で、「赤字続きだったJDがようやく実力を発揮し始めた」と期待を寄せる声も多く、市場関係者の関心は非常に高まっています。さらに、同社が注力している「下沈市場(かしんしじょう)」、つまり大都市以外の地方都市における実店舗の拡大戦略も、新規顧客の獲得に大きく貢献した模様です。
ここで専門用語について補足しますと、京東集団が取り組んでいる「物流コストの抑制」とは、単なる節約ではありません。膨大な在庫管理や配送ルートをデジタルで最適化しつつ、固定費を削ることで、商品一つあたりの利益率を高める高度な戦略を指します。最大手のアルババ集団と激しいシェア争いを繰り広げる中で、彼らは量から質へと舵を切り、投資効率を最優先する姿勢を鮮明に打ち出しました。
私個人の見解としては、このタイミングでの黒字化は京東集団にとって極めて重要な意味を持つと確信しています。これまでの「先行投資による赤字を売上規模でカバーする」というモデルから、持続可能な収益モデルへの脱皮を証明したからです。アリババのようなプラットフォーム型とは異なる、自社物流を強みとするJD独自の戦い方が、いよいよ結実し始めたといっても過言ではないはずです。
今後も2019年後半に向けて、中国EC市場の覇権争いは一段と加速していくことが予想されます。特に地方都市の消費パワーを取り込むための施策は、今後の成長を占う上で欠かせないチェックポイントになるでしょう。京東集団がこのまま安定した利益成長を続け、王者の座にどこまで迫れるのか、その動向から一瞬たりとも目が離せそうにありません。
コメント