🔥【2019年下期】日本株は年末に「2万4000円」へ!プロが徹底分析する米中覇権とESG投資の行方

2019年6月12日、日本経済研究センターで開催された株価座談会では、日本の株式市場の今後の展望について、市場の最前線で活躍する識者たちの活発な議論が交わされました。特に、米中間の技術覇権争いの長期化と、日本企業の産業構造の変革が日本株上昇の鍵を握るとの認識で、登壇者たちは見解を一致させています。この貴重な議論を通じて、日経平均株価は2019年末に向けて一時的に2万3500円から2万4000円の高値を付ける可能性があるという、強気な予測が導き出されました。

座談会に登壇したのは、UBSウェルス・マネジメントで日本地域最高投資責任者(CIO)を務める青木大樹氏と、ニッセイアセットマネジメントの藤井智朗共同チーフインベストメントオフィサーのお二方です。司会は日本経済新聞社編集局次長兼証券部長の田中直巳氏が担当し、現在の市場が抱える最大の懸念材料である米中貿易摩擦と、金融政策の行方、さらにはESG投資(環境・社会・企業統治に配慮した投資)の可能性について深く掘り下げられました。

スポンサーリンク

世界を揺るがす「米中技術覇権」の長期化と株価への影響

最大の焦点である米中貿易摩擦について、青木氏は米国の国内政治、特に2020年11月の大統領選挙との関連から分析しています。トランプ米大統領が再選を果たすためには、選挙の約2四半期前、すなわち2020年4月から6月期の株価やGDP(国内総生産)などの経済指標が好調であることが不可欠という経験則があるため、今年末に向けて、米国が一時的に中国への融和的な姿勢を見せる可能性を指摘しています。しかしながら、米中が繰り広げる技術覇権を巡る攻防は、トランプ大統領個人の思惑だけではなく、米国政府全体の意向であるため、長期化は避けられない見通しでしょう。

青木氏は、この対立のベンチマークとして、中国の通信機器大手である華為技術(ファーウェイ)製品に対する規制への各国の対応を挙げました。反対姿勢を取る中国や欧州などの国のGDPの合計は、世界全体の42%にも及ぶため、世界的な政治の二極化、すなわち陣営の分裂が進むことへの注意を促しています。一方、藤井氏は、トランプ大統領は市場の動向を非常によく観察しており、株価が大きく下落する局面で景気を急激に冷やしてしまうような政策は進めないのではないかと推測しています。ただし、対中関税の「第4弾」が実際に発動されれば、市場にとっては大きなサプライズとなり、株価下落の要因となる可能性は残ると見られています。

予測が難しいFRBの金融政策とESG投資の真価

市場で期待が高まる米連邦準備理事会(FRB)による年内の利下げについても、意見が交わされました。青木氏は、イエレン前議長時代とは異なり、現行のパウエル議長体制では金融政策の先行きが全く予想できなくなっていることに懸念を示しています。景気後退を示すリセッションの状況にない中での利下げは、株式や不動産などの資産価格が過度に上昇するバブルにつながる恐れがあるため、慎重な議論が必要という見解です。藤井氏は、市場の利下げ期待はやや先行しているとの見方で、もし6月下旬に開催される**20カ国・地域首脳会議(G20サミット)**で米中間の歩み寄りがあれば、状況は一変する可能性があると分析しています。

また、注目を集めるESG投資と、実際の投資リターンの関係についても議論が展開されました。ESG投資とは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の三つの要素を考慮して投資を行う手法を指します。藤井氏は、同社での運用実績から、ESG評価の高い企業の株価は市場平均を上回りやすい傾向にあると指摘しました。特に、「S」にあたる社会に対する取り組みが強力な企業は企業価値が高まりやすく、従業員の満足度向上や、社会問題の解決に貢献する事業活動が収益のドライバーとなり、生産性の向上につながるとの見解を示しています。社会の一員としての企業の役割が増す現代において、この傾向は今後さらに強まるでしょう。

日本株出遅れの原因と下期に注目すべき銘柄

世界株と比較して日本株の出遅れが顕著である点については、国内企業が、米国のIT株のような市場全体をけん引するダイナミックな業績成長の動きを見せていないことが主な要因とされています。藤井氏は、中長期的な視点から、日本企業には資本効率、つまり株主からの資金をどれだけ効率的に利益につなげているかを示す指標を向上させるような、経営の変革が非常に重要であると力説しています。青木氏も、日本の産業構造がなかなか変化しない状況に言及し、特にサービス業におけるイノベーション(技術革新)の乏しさを問題視しています。企業が潤沢に保有している現預金を、リスクを恐れずに積極的に成長に向けた投資へと振り向けることが、日本株再浮上のために欠かせないポイントだと私は考えます。

今後の日本株の見通しとリスク要因については、青木氏は年末にかけて米中関係に融和の動きが進み、日経平均は2万4000円の高値を付けると予測しています。短期的には、これまでの調整で割安感が強まっている中国関連銘柄の業績が改善し、買い戻しが進むと見ています。一方で、中国の経常収支が数年以内に赤字に転じ、人民元の流出や外貨準備の減少が進むことで、中国政府が資本の安定性をコントロールできるかどうかが、市場のリスク要因として挙げられます。藤井氏も、米中貿易摩擦や英国のEU離脱(ブレグジット)問題の先行きが見えてくることで、年末に日経平均が2万3500円に到達する可能性を指摘しました。そして、国内で深刻化する人手不足に対応するための省力化投資に注目しており、初期コストを抑えながら継続的に収益を得られるサブスクリプション(継続課金)モデルや、環境意識の高い若者向けに需要が増しているリユース関連も有望な投資テーマとして挙げられるでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました