2019年6月21日、英国を代表する大手保険会社リーガル&ジェネラル(L&G)社は、世界の主要企業の中から、新たに米国エクソン・モービルなど5社を投資除外(ダイベストメント)の対象に加えると公表しました。すでに除外対象となっていた日本のSUBARU(スバル)、日本郵政などを含め、合計11社について、同社傘下の投資会社が運用する一部のファンドで株式などの保有を停止する、という非常に大きな決定であります。
L&G社が運用する資産の残高は、約1兆ポンド(日本円にしておよそ140兆円)に上り、英国では最大規模の機関投資家として知られています。これほどの巨大な影響力を持つ企業が、なぜこのような判断を下したのでしょうか。その背景には、地球温暖化の進行を食い止めるための環境保護への取り組みや、企業活動に関する情報開示が不十分であると判断された企業に対し、投資を引き上げるという明確な姿勢があるのです。
今回の見直しでは、2018年にダイベストメントの対象となっていた8社のうち2社を投資可能な銘柄に戻した一方で、新たに米エクソン・モービル、米メットライフ、韓国電力公社など5社を投資除外リストに加えました。この措置は、主にグループ内の投資会社であるリーガル&ジェネラル・インベストメント・マネジメント(LGIM)が運用する一部ファンドに適用されます。このニュースはSNSでも大きな反響を呼び、「大手の判断は時代の流れを示す」「ESG投資の重要性が増している」といった意見が多く見受けられ、投資家や一般社会の関心の高さを物語っています。
L&G社は、SUBARUについて「前向きな取り組みは見られるものの、なお改善の余地が大きい」と指摘しています。自動車業界では、ドイツのダイムラーが販売する乗用車の二酸化炭素(CO
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)排出を2039年までに実質ゼロにする目標を掲げるなど、環境対策への動きが世界的に加速している状況です。また、日本郵政に対しても「情報開示が日本の大手金融機関に求められる水準に達していない」と厳しい評価が下されました。企業が持続可能な社会に貢献するための透明性や努力は、世界の投資基準としてますます不可欠な要素となっていると言えるでしょう。
ESG投資の潮流とダイベストメントの重要性
ダイベストメントとは、企業活動が社会や環境に悪影響を及ぼすと判断された場合、その企業への投資を引き揚げることです。これは、利益だけを追求するのではなく、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の要素も考慮して投資先を選定する「ESG投資」という考え方が欧米の機関投資家の間で急速に広がる中で、その一つの具体的な手段として採用されています。これは単なる倫理的な問題ではなく、長期的な視点で見れば、環境や社会に配慮しない企業は将来的に大きなリスクを抱えるという認識に基づいています。
例えば、2019年3月には、世界有数の機関投資家であるノルウェー政府年金基金が、日本の出光興産や国際石油開発帝石などを含む、合計134社からの投資撤退を表明しました。このように、巨額の資金を運用する機関投資家がESGの観点から厳しい評価を下し、ダイベストメントを実行する事例が相次いでいるのです。この動きは、企業経営者に対し、短期的な業績だけでなく、気候変動対策や企業倫理といった非財務情報への真剣な取り組みを強く促す、非常に強力なメッセージであると私は考えます。日本企業もこの世界的な流れを真摯に受け止め、情報開示の改善とサステナビリティへの貢献を加速させる必要があるでしょう。
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